専門メーカーがハイエースで作る新提案キャンピングカー「CEEBUS(シーバス)」
今や安定した人気のアウトドア&キャンピングカーのブーム。そんな中、京都のキャンピングカービルダー・アルフレックス社が展開する自社ブランド「ADDSET(アドセット)」は他のキャンピングカーブランドとは一味違うそのコンセプトからも光る存在だ。
社名でもあるアルフレックスとは“オールフレキシブル”の略から作った造語。そして同社が展開するキャンピングカーブランドの“アドセット”は「クルマに付加させる」という意味の“アディショナルセッティング”から作られた造語なのだとか。
そんなアドセットが展開するキャンピングカーの中で、今年の東京オートサロンで発表された新型のキャンピングカーが「CEEBUS(シーバス)」だ。
CEEBUS=ハイエースの標準ボディ+標準ルーフ+重装備
このシーバス、Cから始まるキャンピングカーとしての意味と、大陸を意味するコンチネンタルのC、エリートのE、美しいを意味するエクスキサイトのE、バス(BUS)の頭文字を繋げた造語からなるのがそのネームの由来。
アドセットの作るキャンピングカーは流行を追いかけるのではなく、その時代の状況や需要を考えて「これからの時代に便利な仕様」を提案するのがそのスタイル。そうしてアドセットが今回提案したのが「ハイエースの標準ボディ+標準ルーフ+重装備」をオールインした仕様だ。
実はこれまでアドセットが開発してきた車両はハイエースのワイドボディが中心。標準ボディモデルも存在するが、それはあくまでワイドボディからの波及型という位置付け。通常、重装備となるキャンピングカーに室内の狭い標準ボディのハイエースを選ぶことは相反する。ハイエース最小のボディサイズを敢えて選び、標準ボディ専用に開発。しかも今回のシーバスにはその開発に2年も費やしている。果たしてそれはナゼだったのか?
普段使いを考慮して標準ボディのハイエースをベースにしたキャンピングカー
「アドセットではハイエースをベースにキャンピングカーを作っていますが、スーパーロングをベースにする事は基本ありません。それは日常に使用できることを考えているからです。特別の日にだけ使うクルマではなく、日常的に使用できることがアルフレックスのコンセプト。だからワイドミドルか標準ボディを使用しています。いわばミニバンの延長線上にあるクルマですね。しかも今回は、敢えて都市部のビル型パーキングや狭小地でも困らない機動力に優れた仕様にこだわりました。“普段使いがどれだけしやすいか”そこにこだわるとやはり標準ボディのハイエースが絶対だと確信しました」と竹山代表。
キャンピングカーとしてみたときに、巷ではハイエースの標準ボディを選ぶ事はほぼ無い。それは求めるユーザーの声も大きいからでもあるのだが、標準ボディを選ぶのは商売的に不利ではないのだろうか?
「僕は、そこは逆に気にしなかったですね。上手なパッケージングができていないだけだと。でも割り切るのではなく、“使いやすい”こと、“広さを確保する”ことに徹底してこだわりました。そのために2年も掛かってしまいましたが(笑)。いかに不可能と言われることを可能にするかを考えましたね」。
スーパーロングよりも使い勝手のいい標準ボディのキャンピングカーを目指して
「今注目されているバンライフのノリのハイエースのキャンピングカーはDXベースが多いと思います。それは趣味性の高さからOKだと思います。ただ、僕は万人が使えるクルマにしたかった。あくまで普通に使えるクルマという考え方。そこで選んだ5ドアのスーパーGLにはベース車としての基本がある。普通車として最適なベース車です。通常キャンピングカーは装備の設置場所が必要なので4ドアを選ぶのが基本です。でも右側にドアがあるのにはきっと必要性があるから。その良さをいかに殺すことなく使いこなすか。ウチは逆に5ドアを生かしたかったのです」
「課題は、ギャレーのコンパクト化とその意匠でした。僕は毎年ヨーロッパ各地のショーへ、次の年のトレンドを見たり商品の仕入れに行くのですが、ずっと前から気になるパーツがありました。しかし、それらはヨーロッパの自動車メーカーのライセンスがついたもので、日本に輸入することや国内で使用するには時間がかかりました。結果、そのパーツ類を使うことができるようになり、そこから開発が一気に進みましたね」
「僕は、ヨーロッパのパーツには大きな魅力を感じています。小型で機能美が溢れるデザイン性。日本市場では、数の原理で国内製造ができないため、国産のパーツはほとんどありませんが、いつかできる日がきたら、オリジナルでデザインをしたいですね。そういったことで、ヨーロッパの新しいパーツ群がこのCEEBUS(シーバス)を完成させる手引きとなりました」
「標準ボディは屋根が低い、室内で立って何かできる高さがない、とデメリットが多い。それを日常的に使っているセカンドシートで作業ができる、小さな室内で動かずに作業ができるようにすることに尽力しました。そこには逆にスーパーロングより優位性があるのだと知ってもらいたいですね」
標準ボディ車「CEEBUS(シーバス)」開発のポイントは
1:セカンドシート横にギャレーを設置
使用しない時も美しいデザインのギャレー(キッチン装備)をセカンドシート横に設置。
2:セカンドシートに1000mm幅のゆったり座れるFASP製のシートを採用
快適性と安全性を兼ね備えたシートメーカーとして欧州で広く認知されているイタリアのFASP社と意見交換を続け、シートを使いやすく改良。クッションにあたるウレタンフォームは、アルフレックス専用となる硬さと形状のオリジナル仕様を装備している。法規上は幅が900mmあれば2名が横並びで座れるところを、さらにゆったり座ることを考えて100mmを足した1000mm幅を使用。この10cmの差が全く違う快適さをもたらせてくれるとか。シーベルトも各シートに装着されているので、安全性も高く使いやすい。
3:冷凍機能を備えた40Lサイズの大型冷凍冷蔵庫の設置
キャンピングカーで40Lサイズの冷蔵庫はかなりの大型サイズ。それを標準ボディに採用したばかりか、これには6Lの冷凍庫が付いている。
これら3つの難関を妥協せずに標準ボディに全てオールインできたのはまさに奇跡的と言える開発力だ。
実はこれらの装備はキャンプなどのレジャーシーンだけでなく「避難用シェルター」としての利用を想定して考えられているのもこのシーバスならではの特徴だ。それもあって冷蔵庫も“冷凍”機能を有したものを採用しているとのこと。
これらの実現にあたり、リヤヒーターや純正のシートベルトの移設など難問が山積みだったが、そこでワイドボディで作ったのでは魅力がなくなってしまうと、敢えてチャレンジし実現させた。そのためにはボディ内側の鉄板の隙間まで徹底的に利用している。
電装品にはスウェーデン製のCTEKという充電システムを採用。このCTEK、バッテリーの状態がスマホでもわかるシステムで、コンパクトクラスに搭載しているのはかなりレア。しかも今のクルマは燃費向上のためオルタネーターが充電しにくいシステムになっている中、エンジンを掛けたら急速に充電を開始してくれるこの装備の採用はキャンピングカーとしては非常にありがたい。
ボディ後ろ側はマルチルームとして使える機能的なスペースを確保
まだまだコダワリは尽きない。車内の装備をさらに見て行こう。
通常フル装備のキャンピングカーだと、他に何も積めなくなることが多いのだが、このシーバスは、前半分はフル装備ながら、後ろ半分は万が一の際にあらゆる状況に対応するよう、何もないスペースとして設計されている。つまりマルチルームとして使える仕様になっているのだ。
2列目以降のラゲッジスペースがベッドとしても使えるし、不意な荷物のラゲッジ積載スペースにも使用可能、さらに床下にポータブルトイレを装備しているのでカーテンで仕切ればトイレにも早変わりするという具合だ。つまりは“避難用シェルター”としての機能性を最大限に高めているのだ。
リヤ右サイドのオーバーヘッドキャビネットは、ファーストエイド的なものやタオルなど常備したい荷物の入れ場所として使用できる。さらにセカンドシート横のギャレーとは別にリヤにもギャレーをダブルで装備。こちらは足を洗ったりするアウターシャワーとしての利用はもちろん、避難時には身体を洗ったり、洗濯も可能だ。
近年のミニバンのラグジュアリー化にともない、インテリアは上品なヨットやクルーザーを想わせる仕上がりで、家具のモール類はアルミシルバーのヘアライン調になっており、家具自体も光沢のあるハイグロスの表面材が使われるなど高級な室内空間なのは言うまでもない。フロントシートを回転させて対面対座で使用でき、2列目のギャレー横にあるテーブルは調理台として便利に利用できるなど、王道のラグジュアリーにも使える快適かつ機能に特化した作りを実現している。
さり気なくスタイリッシュな外装で振り返ってもらえるキャンピングカーに
アドセットのキャンピングカーが内装にこだわり満載なのはよくわかっていただけたと思うが、その外装も「変わっていないようで、実は変わっているのがウチのさりげないコダワリです」と竹山代表。
スポイラー類にはCRS製のエセックス・スポイラーとオーバーフェンダーを装備。8ナンバーのキャンピング車登録をすることで、4ナンバーの小型車枠に囚われる必要がないため、それならばとオーバーフェンダーを装着、メリハリのついたボディラインを実現。さらにヴァルドの20インチホイール・ILLIMAを装着、オシャレな高さのローダウンもこなすことでサラッと違和感のないカッコ良さを実現している。
「クルマの印象はまずは外観。思わず振り返ってもらえるオシャレさも必要ですから。狙っているのは、自動車メーカーから発売されていても不思議じゃないスタイリッシュさですね」。
こだわりが標準ボディのハイエースに詰まった「CEEBUS(シーバス)」
なんと、ここまでの装備をハイエースの標準ボディというミニマムな空間に妥協なく詰め込んだアドセットの最新型キャンピングカー「シーバス」。震災時には非常用シェルターとしても使えるその機動力は、飽くなき探究心とそのコダワリ精神から生み出された傑作と言えるだろう。次回は、“アドセットが考えるキャンピングカー”の哲学をさらに深掘りし、商売を超越したキャンピングカー作りへの思いをジックリと紹介したいと思う。
SPECIFICATION | |
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定員 | 乗車定員4名 / 就寝定員2名 |
車両寸法 | 4,695×1,765×1,980(mm) |
ベース車 | トヨタ ハイエース |
車両型式 | CBF-TRH200V/QDF-GDH201V/QDF-GDH206V |
駆動 | 2WD-6AT / 4WD-6AT |
グレード | スーパーGL / スーパーGLダークプライム |
車体形状 | キャンピング車 |
- ハイエースバン
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March 26, 2020 at 09:49AM
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