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Tuesday, August 25, 2020

機械学習コアを集積した2軸の傾斜センサーIC、STMicro発売 - ITpro

 伊仏合弁STMicroelectronics(STマイクロエレクトロニクス)は、MEMS技術で製造したデジタル信号出力の傾斜センサーIC「IIS2ICLX」を発売した(ニュースリリース)。水平面の2軸、すなわちピッチ方向とロール方向の傾斜を測定できる。同社によると、「これまで1軸の傾斜センサーICは製品化されてきたが、ピッチ方向とロール方向が組み合わさった傾斜を高精度かつ高い再現性で検知するのが難しかった。新製品を使えば簡単に検知できるようになる」という。産業用オートメーション用途や構造ヘルスモニタリング用途などに向ける。具体的な応用先は、アンテナの位置制御や位置モニタリング、プラットフォーム(回転台)のレベリング、フォークリフトなどの建設機械、太陽トラッキング機能が付いた太陽電池パネル、ロボット、無人搬送車(AGV)などである。

MEMS技術で製造したデジタル信号出力の傾斜センサーIC

MEMS技術で製造したデジタル信号出力の傾斜センサーIC

STMicroelectronicsのイメージ

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 特徴は2つある。1つは、機械学習コアやプログラマブルな有限ステートマシン(FSM)を集積したこと。もう1つは、MEMS技術で製造した傾斜センサーの温度安定度が高く、ノイズが小さいことである。

 ルールベースの機械学習の処理コアと有限ステートマシンを集積したため、ホストプロセッサーの演算負荷を軽減し、システム全体の消費電力を減らせるという。新製品は、集積した傾斜センサーのほか、1つのセンサーを外付けできる。例えば、加速度センサーや角速度センサー(ジャイロスコープ)、圧力センサーなどである。機械学習処理コアでは、これらのセンサーで検出したデータ群が、予めユーザーが指定したデータパターンと一致するかどうかをチェックできる。これで、異常な振動の認識や、複雑な動きや状態の識別、アクティビティー検出などが可能になる。有限ステートマシンは16個用意した。これらを使うことで、ユーザーが定義した動作パターンや振動パターンを検出して割り込み信号を出力することなどが可能になる。

 傾斜センサーのフルスケール測定範囲は、±0.5gと±1g、±2g、±3g(gは重力加速度)の中からユーザーが選択できる。感度は、フルスケール測定範囲が±0.5gのときに0.015mg/LSB(標準値)、±1gのときに0.031mg/LSB(標準値)、±2gのときに0.061mg/LSB(標準値)、±3gのときに0.122mg/LSB(標準値)である。ゼロgの温度依存性は±0.075mg/℃(最大値)で、ゼロgにおけるノイズ密度は15μg/√Hz(標準値)とどちらも小さい。周波数帯域幅は260Hzである。3KバイトのFIFOメモリーを集積した。プログラマブルな高域通過フィルターと低域通過フィルターを備える。デジタル信号の出力形式はI2CもしくはSPIである。

 2軸検出時の消費電流は0.42mA(標準値)と少ない。パワー・ダウン・モード時は3μA(標準値)である。パッケージは、外形寸法が5mm×5mm×1.7mmの16端子CCLGA(Ceramic Cavity Land Grid Array)。動作温度範囲は−40〜+105℃。すでに量産を始めている。参考単価は15.00米ドルである。

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