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Saturday, September 9, 2023

いくつになっても年齢差別に直面する女性リーダーたち 実践的な ... - DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー

いくつになっても年齢差別に直面する女性リーダーたち

HBR Staff/aldomurillo/Imagehit/Hero Images/Getty Images

サマリー:女性には、性別と年齢の差別という二重の呪いがつきまとう。筆者らが行った調査によると、女性リーダーは常に若すぎるか年を取り過ぎているかのどちらかで認識され、いくつになっても年齢による差別を受けていること... もっと見るがわかった。企業などの組織は、ジェンダー平等を推進し、女性に対するサポートを強化しながら、リーダーシップの多様性を実現する必要がある。 閉じる

女性には性別と年齢の差別がつきまとう

 ある大学の副学長が、職階としては彼女のすぐ下のポジションに当たるコントローラー職(経理責任者)を募集していた時、理事会のメンバーに「年配の男性」を探すよう言われた。彼女は、37歳で副学長職に就いて以来、理事会メンバーに年齢のことを揶揄され、「お嬢さん」や「お嬢ちゃん」などと見下げるような言葉で呼ばれていた。しかし、年齢が高ければよいかというと、必ずしもそうではないことは、次のように別の女性が語る通りだ。「私の年齢なら、本当はさらにハイレベルな仕事をしているはずですが、この職業ではいま、経験豊富な人ではなく『新しい考え方』を持った30代や40代の若手に仕事を任せたがるのです」

 もともとエイジズムとは、年配社員をターゲットにした偏見、固定観念、差別的行動と理解されてきた。加齢とともにパフォーマンスが悪化し、能力が低下するという誤った認識から、高齢社員は若手に後を任せて、ただ静かに去っていくことが期待されている。労働力の多様化と多世代化が進む中、年齢による偏見は、キャリアライフサイクル全体にわたって生じている。若年者に対するエイジズムである「ヤングイズム」は、年齢と成熟度を同一視したり、勤続年数の長さを能力の条件にするといった誤った認識が原因となっている。

 しかし、年齢が女性に対する偏見や差別の理由にされている状況に関しては、まだ研究が始まったばかりだ。性別による年齢差別は、年齢と性別に関する偏見が重なった二重の呪いであり、働く女性にとって「適齢が存在しない」ことを意味している。

 米国の4つの業界(高等教育、信仰に基づく非営利団体、法律、医療)に属する913人の女性リーダーを対象に、筆者らが最近実施した自由回答形式の質問調査では、多くの女性がこの「適齢なし」の偏見に苦しんでいることがわかった。「若年」「中年」「高齢」とは概念的なものであり、職場や状況によって異なる。この調査結果では、「若年者」は40歳未満、「中年者」は40歳から60歳、「高齢者」は60歳以上としている。

性別による高齢者差別

 女性は、男性のように年齢とともに人材としての価値や重要度が増すとは思われていない。筆者らの調査に参加した年配の女性たちは、会社から「昇進させる価値がない」と見なされていると明かした。「男性が年を取ると『知恵の泉』になるのに対し、女性は考え方が古くなり、頑固で口やかましくなると思われています。女性は相手にされないのです」と、ある医師が指摘する。たとえば、61歳の副最高情報責任者(副CIO)は、CIOの後継者計画で候補に挙がらなかった。現職のCIOは、男性幹部を後任に育てていた。定年を迎える別の女性は、「私はほぼ無視されています」と口にした。

 これらの女性の多くは、意欲を失い、燃え尽き、これ以上昇進できないと諦めている。NPOの66歳のリーダーは、「トップは男性でなければならないという組織のメンタリティでは、この年齢で次のステップは望めません」と語った。同じ業界の別の女性は、60歳を過ぎると、もはや「研修やメンタリングの価値なし」と見なされるとコメントした。また、別の仕事を見つけざるを得ないと感じている人もいる。 60歳の弁護士は、「自分の能力を人に証明するのに疲れました。会社のためにも、他の組織で別の仕事を見つけるほうがよいでしょう」と述べている。

性別による若年者差別

 ある39歳の女性が語ったように、若い女性や若く見える女性は、「ちゃん」付けで呼ばれたり、頭を撫でられたりしたという。若い女性はまた、責任ある立場の人間とは見られず、学生やインターン、研修生、サポートスタッフ、アシスタント、パラリーガル、裁判所の速記官などに間違えられたという。こうした思い違いをされるのは、特に非白人女性に多かった。たとえば、若く見えるアジア系の高等教育機関の幹部は、一般の職員だと思われたという。

 また、女性の発言や専門知識が信用されない「信用性の欠如」を経験した若い女性も多かった。34歳の女性は、「経験がないあなたには、どうすべきかわかるはずがない、とよく言われます」と語った。このような偏見に直面した女性(特に有色人種の女性)は、自分の能力を証明するために追加で努力をしなければならない。大学の最高財務責任者で、若く見える黒人女性は、「信用を得るために、略歴の提出を迫られることも多い」とコメントした。

 自分の外見をまじまじと見られたという若い女性も多い。ある医師は、20歳から40歳まで、男性は外見しか見ていなかったと話す。彼女にとって誇りともいえる学術的な発表をした後、同僚の男性に「バービー人形みたいだったよ」と言われたという。

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