編集部の馬場です。
今週のテーマは「地球沸騰化」。このような強烈な表現もされるようになった、地球温暖化の科学的な側面と、企業に求められる対策に関する記事を紹介します。
気象庁は9月1日、この夏が過去126年で最も暑い夏になったと発表しました。日本に限らず世界中で顕著となった今年の猛暑を、国連のアントニオ・グテーレス事務総長は「地球沸騰化」と表現しました。
沸騰するような猛暑を体感したことで、世界で温室効果ガス削減の機運はますます高まりそうです。ただ、ESG担当者が社内で脱炭素対策を推進しようとする時は、一筋縄ではいかないのも事実。このような猛暑を体験しても、「なぜそんなことをしなければならないのか」という社内の疑問に答えなければならない場面があります。社内で理解を得るために、説得の材料がほしい……という方もいらっしゃるでしょう。そうした悩みを抱えるESG担当者の役に立つ、議論のヒントとなりそうな記事を紹介します。
まず、地球が温暖化する仕組みや、気候変動の科学的な側面についてやさしく伝える、ノーベル物理学賞を受賞した真鍋淑郎氏へのインタビュー「恐竜の時代に近づく気象、忍び寄る危機」を紹介します。
大気中にとどまるCO2が増えると、どのくらい気温が上がるのかを試算した真鍋博士に対する、過去のインタビューを再録しています。23年前の記事ですが古びることはなく、やさしい言葉でまとめた、学びのある内容です。
次にお勧めしたいのが、気温上昇を1.5℃にとどめるために企業は行動すべきなのかを問う「1.5℃をどう捉えるか」という記事です。
地球の気温上昇を、1.5℃にとどめた場合と、2℃になった場合とでは何が違うのか。人々の暮らしや産業に何が起きるのか。さらには対策をせずにどんどん気温上昇するとどうなるのか。この記事は、地球温暖化の過酷な影響について、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の「1.5℃特別報告書」の筆者である甲斐沼美紀子氏や、持続性推進機構の安井至理事長、みずほリサーチ&テクノロジーズの高野真之氏など3人の講師が解説しています。
なお、この記事は3部作となっており、東京大学の高村ゆかり教授やWWFジャパンの小西雅子氏のほか、CDPジャパン(当時)の高瀬香絵氏、みずほリサーチ&テクノロジーズの柴田昌彦氏、JFEスチールの手塚宏之氏など様々なステークホルダーが、1.5℃目標にどう向きかうべきかを語っています。
3本目の記事「40年までに1.5℃超の可能性 IPCCが第6次評価報告書を公表」は、気候変動の科学に関する最新情報を、国立環境研究所の江守正多氏に尋ねたインタビューです。簡潔ながら誰しも胸に刻んでおきたい江守先生のメッセージを、ぜひご一読いただければと思います。
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