中国の国家インターネット情報弁公室は6月1日、「個人情報域外移転標準契約弁法」を施行した。同法は2023年2月に公布され、個人情報を域外移転する際に標準契約が必要となるケースや個人情報取扱者、域外受領者の義務について定めたものだ(注)。
個人情報取扱者が標準契約を締結して域外に個人情報を提供する場合、同時に次の条件を満たす必要がある。
- 重要情報インフラ運営者に該当しないこと。
- 取り扱う個人情報が100万人分未満であること。
- 前年1月1日から起算し、域外に提供した個人情報が累計で10万人分未満であること。
- 前年1月1日から起算し、域外に提供した機微な個人情報が累計で1万人分未満であること。
また、標準契約の手続きや届け出について、国家インターネット情報弁公室は5月30日、「個人情報域外移転標準契約届け出ガイドライン(第1版)」(以下、ガイドライン)を公布した。ガイドラインでは標準契約の届け出の方法や流れ、必要な資料などが具体的に示されている。
まず、個人情報取扱者は、標準契約が発効した日から10営業日以内に、所在地の省レベルのインターネット情報弁公室に届け出をしなければならない(必要資料についてはガイドラインに記載されている)。
各省レベルのインターネット情報弁公室は資料を受領後、15営業日以内に資料の審査を完了し、結果が個人情報取扱者に通知される。届け出が受理された場合、各省レベルのインターネット情報弁公室から個人情報取扱者に届け出番号が発行される。届け出が受理されなかった場合、個人情報取扱者は届け出不受理の通知およびその理由を受領することとなる。資料の追加や修正を求められた場合、個人情報取扱者は10営業日以内に資料を再提出しなければならない。
加えて、標準契約の有効期間内に下記のいずれかのような状況が発生した場合、個人情報取扱者は個人情報保護の影響評価を再度行い、標準契約の内容を追加または再締結しなければならない。
- 域外に提供する個人情報の目的や範囲、種類、敏感度、方式、保存場所、域外受領者による個人情報の用途および方式が変化した場合、または個人情報の域外での保存期間を延長する場合。
- 域外受領者が所在する国・地域の個人情報保護政策や法規に変化が発生するなど、個人情報の権益に影響を与える可能性がある場合。
- その他、個人情報の権益に影響を与えうる状況が発生した場合。
なお、個人情報取扱者が標準契約の有効期間内に内容を追加する場合、各省レベルのインターネット情報弁公室に追加資料を提出しなければならない。また、標準契約を再締結する場合は、再度届け出を行わなければならない。追加または再度届け出をした資料の審査にかかる日数は15営業日となる。
(注)「個人情報域外移転標準契約弁法」へ適応するための期間として、施行日から6カ月の猶予期間が設けられている。
(楢橋広基)
からの記事と詳細 ( 個人情報域外移転標準契約弁法が施行、ガイドラインも公布(中国 ... - ジェトロ(日本貿易振興機構) )
https://ift.tt/uzx1AHW
No comments:
Post a Comment