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Saturday, December 24, 2022

休暇中に考えたい、新年からいくら「貯蓄」すべきか? 金額ではなく貯蓄率で考えよう - Business Insider Japan

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いま貯蓄すべき「適正な」金額を知りたいと思うのは至極当然のこと

Sean_Kuma/Getty Images

  • 毎年必要な貯蓄額というのは、目標次第で変わってくる。例えば何歳で、どのようにリタイアしたいかを考えてみよう。
  • 目標とするハードルが高く、早くそれを達成したいと思うほど、貯蓄額を増やさなければならない。
  • その際に重要なのは、金額ではなく貯蓄率で考えることだと、本記事の筆者で、FPのエリック・ロベルジュ氏は説明します。

私はファイナンシャルプランナーとして、さまざまな人のお金の相談に乗っている。そして誰もが口をそろえて、毎年いくら貯蓄する必要があるのかと質問する。

所得や資産目標、パートナーとの関係や世帯状況などにかかわらず、将来十分な金額を確保するために、いま貯蓄すべき「適正な」金額を知りたいと思うのは至極当然のことだろう。誰でもいくらかは貯めなければならないのだから。

毎年いくら貯蓄すべきかわからないなら、これから紹介する考え方に沿って、自分がどこに当てはまるのか考えてみよう。

毎年の貯蓄目標を決めるときに考えるべきこと

いくら貯蓄が必要かを決める前に、自分の目標を確認しておかなければならない。毎年の貯蓄額を考える際には、退職や経済的自由のような長期的な目標を念頭に入れるのが一般的だ。

主な資産目標が積極的であるほど——つまり目標が高く、早く達成したいほど——そのための毎年の貯蓄額は増える。

例えば、65歳で退職したいと考えていて、子どもの大学進学費用を全額ではなくいくらか出してやろうと思っている人の貯蓄率は、50歳で退職し、別荘を買って、子どもの私立大学への進学費用を全額負担し、仕事を辞めたら豪華な旅行をしようと思っている人ほど高くない。

もちろん、この2人は極端な例であり、だいたいはこの間のどこかに当てはまる。自分はこの間のどこかを考えながら、どれくらいの貯蓄額が適切なのか(または、どのくらいしか貯蓄できないのか)考えてみよう。

上の事例では、最初の人の目標は適度なので、毎年所得の15%を貯蓄に回せば良いだろう。だが2番目の人は、望みをすべて叶えるために必要な資産を形成するには、所得の40%というかなりの割合を貯蓄に回さなければならないかもしれない。

また後年、一貫して高い成功率を実現できるような貯蓄率を、合理的で可能性の高い投資利回りと合わせて選択したいと思うだろう。わかりやすく言うと、非現実的な投資利回りを当てにせずとも十分な金額を貯めておきたいということだ。

貯蓄額が多ければ、夢を叶えるために必要な投資利回りは低くても構わない。同じゴールを達成するためにより少ないリスクで済むのだから、これはとても大事なことだ。

だが同時に、現実的で持続可能な、そして長期的に必ず守れる貯蓄率を選びたい。成功には、とにかく貯蓄を継続しなければならないのだ。

また、将来働くのをやめたときに、どのような所得源があるかも考えておきたい。例えば、

  • 生存中に確実に遺産の受け取りが期待できるなら、それほど貯蓄する必要はない。だが、ファイナンシャルプランを達成するために遺産だけを当てにするのはいかがなものだろうか。絶対に受け取れる保証はないのだ。
  • 所得が低ければ、老後の生活を社会保障に依存する割合が増えるかもしれない。年金や健康保険料の負担率が低いときは、社会保障が所得の代わりになってくれるだろう。所得が多ければ多いほど、退職後に自分で補填しなければならない所得も多くなる。
  • 私的年金に入っていれば、貯蓄額を減らしてもなお、資産目標の達成が可能かもしれない。

貯蓄率を考える

自分はどのくらいの貯蓄率が適切なのかを絞り込むために、以下のケースを順番に考えてみよう。

貯蓄率が所得の10%未満の場合:できるなら貯蓄額を引き上げよう! 資産を一から構築し、「70歳で退職する」こと以外にも目標がたくさんあるなら、毎年10%未満の貯蓄率では目標達成には不十分だ。

とはいえ、長い人生ではさまざまな局面に遭遇する。例えば、事業を始めて、その利益を会社の成長に再投資する必要があるとか、生活が苦しくてなんとか収支トントンにできれば御の字というときもあるだろう。

だが総じて、ほとんどの人は自分の資産目標を達成するために、毎年所得の最低10%(おそらく、それよりも多く)貯蓄しなければならない。

貯蓄率が所得の10~15%の場合:この数字は、多くのマネーのプロが推奨する貯蓄のスタートラインだ。平均的な人生を歩み65~67歳(またはそれ以降)にリタイアを計画しているなら、この貯蓄率から始めると良いだろう。年収が10万ドル未満(約1400万円)の人もこれなら始めやすい。

だが、実を言うとこの貯蓄率では、リタイア後にあまり柔軟にお金を使えないかもしれない。それに、生涯を通して十分な所得を得るためには、まず間違いなく、社会保障のような追加的な所得に頼らなければならないだろう。

所得が10万ドル以上の人は、長期的な目標をもっと実現に近づけるために、貯蓄率を高めることを目指すべきだ。

貯蓄率が所得の15~20%の場合:この場合は、老後に多少柔軟にお金を使うことができるだろう。このくらいの貯蓄率ならば経済的に安定するので、リタイアを数年早めたり、給与は下がってもやりがいのある仕事に転職したりといった、将来の選択肢が増える。

貯蓄率が所得の20~25%の場合:私がファイナンシャルプランニングの顧客に勧めている基本シナリオがこれだ。家計所得が25万ドル以上(3500万円)の人は、所得の25%を貯蓄に回すことが可能で、それでも今の充実した生活を楽しむためのキャッシュ・フローが十分手元に残る。

私が25%という貯蓄率を推奨する理由は、このくらいを貯蓄しておけば、どんなファイナンシャルプランでも叶う確率が一気に高まるからだ。どうせなら、貯蓄が少なすぎるよりも多すぎる方が、お金に制約されず経済的自由と選択肢を謳歌しながら、人生の後半に多くの資産を確実に形成できる。

この水準の貯蓄率を長年続けられれば、将来のためにかなりの資産を形成できるだけでなく、この先いずれかの段階で貯蓄率を柔軟に下げるという選択肢も出てくる。というのも、時間と複利の効果が徐々に発揮されて、お金があなたのために「働き出す」からだ。

貯蓄率が所得の25%以上:早期リタイアや経済的自由を真剣に考えているなら、このくらいの貯蓄額が最適だ。経済的自立を早く達成したいなら、貯蓄率を高めるべきだ。もし40代や50代で経済的自由を手に入れたいと思うならば、目標達成には所得の40~50%以上を貯蓄する必要があるだろう。

(貯蓄額ではなく)貯蓄率を守る

「いくら貯蓄するか」という問いへの答えがどれであっても、貯蓄目標は金額ではなく、必ず所得に対する割合として設定しよう。

年収の10%とか25%とか40%といった割合(%)を決めれば、所得との対比で貯蓄できる。つまり、所得が変わるたびに貯蓄目標を変える必要がないのだ。

所得の20%を常に貯蓄することにしているなら、所得の上昇とともに生活レベルや支出が増える「ライフスタイル・インフレ」を避けられる。貯蓄に回る金額も所得が増えたうちの2割増えるので、貯蓄額は自然と増える。

逆に、所得が下がれば、貯蓄に回す金額も減る。これは、稼ぎが減るときにはすべての支出を減らさなければならないので、理に適っている。

良いファイナンシャルプランニングは、時間の経過とともに絶えず変化することを覚えておこう。定期的に貯蓄率を見直して、いまの貯蓄率を続けていれば資産目標を達成できるか、それとも修正が必要かを判断しよう。

前年から所得が大幅にアップした顧客は、たいてい貯蓄率を見直している。自分もそれに該当すると思うなら、フィナンシャルプランニングの威力を活用するために、貯蓄目標の引き上げを検討しても良いかもしれない。所得が多いほど、大きな貯蓄がしやすくなる。

貯蓄は良い事だが、そこで立ち止まらないこと!

こういう会話をすると、「貯蓄」という言葉が最終目標になりがちだ。だが、「将来への貯蓄」とは、実のところ所得から貯蓄に回し、それを投資するということにほかならない。

数カ月から5年後に資金が必要な短期的な目標には、貯金は最適だ。だが、その目標を達成した後は、今度は投資を考えた方が良いだろう。

特にインフレ圧力が高まっている環境では、預金として現金で置いておけばお金の購買力は低下する。

だが、投資に回し、投資を継続することで、リターン向上の機会を得られる。それこそ複利を味方につけ、資産を増やす方法なのだ。

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