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Sunday, May 8, 2022

ウクライナで戦争をするための「拒否権」絶対に認められない | | 衛藤征士郎 - 毎日新聞

 ロシアのウクライナ侵攻で国連の機能不全が指摘されている。問題は国連安全保障理事会の常任理事国の拒否権だ。拒否権は万能だ。総会の決議も一瞬にして無効にしてしまう。非常に無力感を感じるが、しかしこれは改革しなければならない。

ゼレンスキー氏が頼りにした国連

 ウクライナのゼレンスキー大統領が日本の国会で演説した時に国連改革を訴えた。日本は安保条約があるが、ウクライナは北大西洋条約機構(NATO)はもちろん、欧州連合(EU)にも加盟していない。

 ゼレンスキー氏が唯一頼りにしているものが国連であって、その国連が機能不全になっている。だから日本がリーダーシップをとって国連改革を進めてほしいという訴えだった。

拒否権は平和のためにある

 拒否権は、第二次世界大戦を防げなかった国際連盟の失敗から創設されたものだ。もともと平和を担保するためのものだ。大国には国際平和を維持する責任があるから、拒否権を与えられている。そして拒否権を行使するならば、その代償を支払わなければならないはずだ。実際にはまったく反対に、戦争をするために使われ、「使い得」になっている。

 ロシアのプーチン大統領と中国の習近平主席の組み合わせになってから、おかしくなった。お互いに共同歩調をとって、自国のやることを国連に妨害されないために拒否権を使う。国連の本来の趣旨から外れている。ウクライナで戦争をするために拒否権を使うなどということは断じて認めてはいけないし、抗議をし続けなければならない。

行使を抑制する

 常任理事国は拒否権自体は絶対に手放さない。ここはまず折れることはない。そこで拒否権の行使を抑制することを考えなければならない。

 案としては…

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