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Wednesday, April 20, 2022

5W1Hに沿った素材集めだけでは足りない - ITpro

全2848文字

 今回からは文章を書く際に最も大切な素材集めについて、もう少し詳しく解説していく。素材としてまず必要になるのは主題だ。これは文章を書くうえで、最初に決めなければならない。この部分があやふやだと、文章を作成するための素材をうまく集められず、後で「うまく書けない」という事態に陥ってしまう。

 とはいえ、そんなに難しく考える必要はない。「新製品を発売した」「既存技術を改良した」「新種の生物を発見した」「シミュレーションで新たな避難計画の有効性を確認した」「システム障害でATMが止まった」「過去最高の営業利益をはじき出した」──。文章を書かなければならない局面では、大前提として、何か伝えるべき出来事やお題があるはずだ。

 主題を据えた後に進めるのは、主題を説明するための素材集めだ。基本は5W1Hを意識する。中学校や高校の授業で、このフレーズを聞いたことがある人は多いのではないか。誰が(Who)、いつ(When)、どこで・どこに(Where)、何が・何を(What)、なぜ(Why)、どうやって・どのように・どのくらい(How)に関する情報を集めてくるのだ。

 ここでは、「自動車部品に利用できる木質材料を開発した」という事象を主題に据えた場合の素材集めを例に挙げて考えてみよう。

<誰が何をした>

  • A社とB社が共同で、自動車部品として利用できる木質材料を開発した

<いつ何をした、何をする>

  • 2021年末に社内試験を終え、22年1月に発表
  • 2024年には、開発した材料で自動車のボディー全体を製造する考え
  • 2025年までに自動車部品としての商用化を目指す

<なぜ開発したのか>

  • スギは国内に豊富な木材だが、活用が十分に進んでいない点が課題だった

<どこに使うのか>

  • 自動車のボディーや内装部に使える

<どのようにして作ったのか>

  • スギ材から抽出される成分とポリエステル素材を混合させた材料でできている

<コストはいくらなのか>

  • 自動車の内外装材として使われるガラス繊維強化プラスチックと同等の価格

<どのような性能なのか>

  • ガラス繊維強化プラスチックと比べて吸水率が5割程度小さい
  • 加工が容易で形状の制約が小さい
  • ガラス繊維強化プラスチックと比べて変形を抑える性能が約2割改善

 こうして5W1Hを意識して素材を集めるだけでも、伝えられる内容がなんとなく見えてくる。ここで、もうひと手間加えると、その後の文章づくりがぐっと楽になる。では、どんな手間をかければよいのだろうか。

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