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Saturday, December 11, 2021

YOHは高橋ヒロムをここで絶対に倒さなければならない - NJPW FUN

YOHは高橋ヒロムをここで絶対に倒さなければならない。

色んな気持ちが生まれたメインイベントだった。

無意識的に「高橋ヒロム選手が勝つ」ともう1人の自分が囁く。

2017年以降、「ベスト・オブ電話ザ・スーパージュニア」における高橋ヒロム選手の戦歴は以下だ。

  • 2017年 リーグ戦敗退(IWGPジュニアチャンピオン)
  • 2018年 優勝(優勝決定戦は石森太二選手)
  • 2019年 欠場(負傷により)
  • 2020年 優勝(優勝決定戦はエル・デスペラード選手)
  • 2021年 優勝決定戦進出

“タイムボム”高橋ヒロム選手は「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア」に滅法強い。

チャンピオンとして迎えた2017年、負傷欠場の2019年以外は全て優勝決定戦に進出している。

出場した回数で言えば、3回中2回優勝。丸腰状態でエントリーしていれば、勝率100%である。

ぼんやりとこの記録を覚えていただけに、彼の勝利が決まった瞬間「やっぱりな」が先に来てしまった。

ジュニアを引っ張る男の引力。

高橋ヒロム選手とエル・デスペラード選手だけではないと言いつつ、やはりこの男が来たか、と。

試合内容自体はロビー・イーグルス選手が圧倒していたが、仕留めきることができなかったのは、高橋ヒロム選手が“もっている”男だから。

ノリでできるだろうとはじめたルービックキューブに3時間ハマって全然正解できないような気持ちになりつつ、高橋ヒロム選手の勝利を見つめていた。

だが、30秒で気持ちはひっくり返されることになる。

やはりプロレスとは物語である。

YOH選手から見て最大の壁が立ち塞がらなければ、「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア28」は盛り上がらない。

試合後、リングに現れたYOH選手を前に高橋ヒロム選手はここで兄貴(先輩)モードに入った。

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迷って、悩んで、叫んで

SHO選手とのリーグ最終戦に敢えて“黒”のコスチュームを着用して臨んだYOH選手。

「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア28」では真っ白なコスチュームに身を包み、4連敗後の6連勝。

人はそう簡単に変わらない。そんなに人生は楽ではない。

そのことを改めて言われているような気分になるほど、勝てなかった。

だが、もがき、苦しみ、どん底で見つかるものがある。

迷って、悩んで、叫んで。

その結果、もう一度ケンカをして元相棒を倒す。

時間を返すとはあの日の敗戦へのリベンジだった。

リーグ戦では見せなかった“ロッポンギ3K”時代のムーブも披露し、本当の意味でのケンカ別れができた一戦だったように思う。

そして、メインイベント後のリングに姿を現した。

「苦しみました。もがきました。真っ暗になりました。自信をなくしました。時間をもらいました。時間を返しに来ました。這いつくばりました。何かが、吹っ切れました。そして、ここまで来れました(場内拍手)。(ヒロムを見て)両国であなたを必ず倒します(場内拍手)」

出典:新日本プロレス

元々、YOH選手はテンションが高いタイプではない。無理してテンションを跳ね上げて客を乗せるタイプではない。

凱旋帰国後、ずっと被ってきた“YOH”の画面が外れて、素顔で、本音で戦うことができている。

それを察していた“先輩(同じ時期にヤングライオン時代を過ごしている)”高橋ヒロム選手はこう返した。

「YOH、やっと、自分の口から自分の気持ち、言えたじゃねえか。でもなあ、そんなこと、オレにはまったく関係ねえんだ!(場内拍手)。苦しんだ? 苦しんでない? そんなこと、全員同じなんだよ。オマエだけ苦しんだ気になってんじゃねえぞ。でもなあ、いいぞ。その気持ち、すべて! 決勝戦で、このオレにぶつけてこい!(場内拍手)。その上で、このオレが二連覇だ!(場内拍手)」

出典:新日本プロレス

涙腺崩壊

「やっと、自分の口から自分の気持ち、言えたじゃねえか」

この言葉に涙腺がぶっ壊れた。

遅いよ、待ってたよ、と。

KUSHIDA選手はWWEに。ウィル・オスプレイ選手、タイチ選手はヘビー級へ。マーティー・スカル選手やドラゴン・リー選手らかつてのタイトルホルダーもしばらく新日本プロレスのリングに立っていない。

ライバル不在。高橋ヒロム一強時代。

この流れを止めるべく、エル・デスペラード選手が完全覚醒し、“ONE OF THE BEST”石森太二選手と金丸義信選手が改めて実力を見せつけた。

そんな中で一番期待していたのは、かつて共に汗を流した男が自分のところまで上がってくることだったのかもしれない。

ただ、そう簡単に超えさせるつもりもない。

全て受け止めた上で“二連覇”する。それが一番盛り上がる展開なのだ。

勝たなければならない

「ジュニアは高橋ヒロムとエル・デスペラードだけではない」

この言葉を証明するためには、誰かが流れを断ち切らなければならない。

つまり、“丸腰での勝率100%”高橋ヒロム選手を倒し、ジュニアの象徴となったエル・デスペラード選手を東京ドームで仕留める。

これが実現できなければ、「ジュニアは高橋ヒロムとエル・デスペラードだけではない」が証明できないのだ。

30分ドローの続きになるか。それとも、本当の意味でジュニア新時代の幕開けとなるか。

全てはYOH選手にかかっている。

恐らく負けたとしても“NEVER6”が彼にはある。だが、それではジュニアは変わらない。

勝って、変えるしかない。変わらない男が時代を変えるのだ。

チャンピオンにならなければ見えない景色がある。その景色をYOH選手にも見てほしいと心から願うばかりだ。

ヒロム「行ける! 行ける! 行けるぞ! 行ける! 完全に、完全にオレに向いてる! 完全にオレに向いてる! 行けるぞ! 行けるぞ! 2連覇行けるぞ! ああ、YOHか!? アレが初戦で戦ったYOHか? 随分、スッキリした顔になってんじゃねえか。生まれ変わったか? 『SUPER Jr』で覚醒したか? やってみないと分かんねえけどな。オマエの勢い、確かに感じる。でもな、オレは負けるわけにはいかないんだ。

オレは優勝して、オレはやりたいこと、言いたいこと、好きに生きる。そして言葉に力を持たせるんだ! YOH、YOH、オマエは昔から正直、何考えてるのかよく分からなかった奴だから、オレの人生で一生関わることはねえと思ってたよ。まさか、こんなところで出会うことになるとは想定外です。いや、オレの知ってるYOHじゃないな。(立ち上がってカメラの前に立ち)はじめまして、高橋ヒロムと申します。

(カメラに向かって拳を突きつけ)さあ、どっちが強いか決めようぜ。このオレが『BEST OF THE SUPER Jr』2連覇だ」

出典:新日本プロレス

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