三重県議会11月定例月会議は26日、北川裕之(新政みえ、5期、名張市選出)、村林聡(自民党、4期、度会郡)、奥野英介(草莽、4期、伊勢市)の3議員が代表質問した。島上聖司雇用経済部長は奥野議員への答弁で、県の首都圏営業拠点「三重テラス」(東京・日本橋)について「現状のまま維持することはないと思う」などと述べ、何らかの見直しを検討する考えを示唆した。 ■知事が思う県の姿は ― 北川裕之議員(新政みえ) 県の来年版行政展開方針について「知事らしさが出ていない」と指摘し、目指す県の姿を尋ねた。一見知事は三重の魅力発信や防災の強化などを通じ、県民が元気で安全安心に暮らせる地域を目指すと説明した。 【行政方針】 北川議員 知事が目指す「強靱(きょうじん)で多様な魅力あふれる美し国」の具体像は十分に明かされていない。新たな総合計画を待たなければならないが、来年度の行政展開方針には知事らしさが出ていないようにも思う。改めて思いを聞きたい。 知事 三重は自然豊かで産業にも優位性がある。その半面で南海トラフ地震の可能性という弱みもあり、万全の備えが必要。将来世代を含めて県民が元気で安全安心に暮らせる持続可能な地域を目指し、県議会や県民と対話を重ねて計画を策定したい。 【地方分権】 北川議員 地方分権について胸のすく答弁をした前知事は、どういうわけか国政に転じた。一見知事の国政転出はさすがにないと思うが、自治体の長として地方分権を進める必要があると思う。知事の地方分権に対する考えは。 知事 平成7年に地方分権推進法が制定され、かなり分権は進んだが、常に見直さなければならない。例えば税収の割合は国と地方で6対4だが、歳出は残念ながら4対6。道半ばと言わざるを得ない。地方分権の実現に向け、歩みを止めてはならない。 ■寄生虫の未然防止を ― 村林 聡議員(自民党) 愛知県知多半島の野犬に感染が広がっている寄生虫「エキノコックス」が県内に流入することを懸念し、未然防止を求めた。県は令和二年度から国立感染症研究所と共にモニタリング検査を実施していると明らかにした。 【エキノコックス】 村林議員 エキノコックスは人にも感染する。感染後十年前後で時には死に至ることもある。残念なことに愛知県の知多半島に定着したという発表があった。陸続きで隣の三重県としては未然防止が必要と考えるが、県の取り組み状況は。 加太医療保健部長 野犬を中心に県内の各保健所で保護した犬の便を検査している。これまで66頭の犬を検査し、全て陰性を確認している。モニタリング検査を続けていくが、今後は愛知県に近い北勢でのモニタリングを強化していきたい。 【人口減少対策】 村林議員 県南部では海と山に挟まれた土地に人が非常に高い人口密度で住んでいる。人口流出を食い止めて定着につなげるため、現代の生活様式に合わせて再整備すべき。県の計画の中できちんと位置づけて取り組んではどうか。 安井戦略企画部長 定住を促すには、既存集落の再整備は重要だが、市町が住民の意向を把握し、地域で主体的に取り組んでいくのが基本。人口減少対策では「みえ元気プラン」の策定と並行してこれまでの成果や課題を検証し、見直しを進める。 ■下水道公設民営化を ― 奥野 英介議員(草莽) 人口減少時代を踏まえて民間活用の重要性を説き、下水道事業などの公設民営化を検討するよう提案。一見知事は民間活力の導入について「大枠では、その通り」と応じつつ「民営化には、なじむ部分となじまない部分がある」と述べた。 【公設民営化】 奥野議員 人口減少に伴って県職員が少なくなったとしても、県民サービスの維持は不可欠。民間の力を活用しながら県民サービスを提供する必要があるのでは。水道事業や下水道事業の公設民営化も視野に検討すべき。 知事 大枠ではその通りだと思うが、民間では収益を上げることが難しいとコストカットが進められる。そうなれば、そのしわが住民に寄っていくことも考えられる。民営化には、なじむ部分となじまない部分がある。十分に見極めなければならない。 【三重テラス】 奥野議員 県は三重テラスに総額で約14億5千万円を投じた。前知事の思いが強く、強引さも感じさせられた。日本橋の一等地に常設することの費用対効果はあるのか。勇気ある撤退を決め、新たなアンテナショップを方向付けるべき。 島上雇用経済部長 売上げやメディア露出などを元にした県内への経済効果は平成30年度からの4年間で21億円。この間に要した費用の4倍に当たる。現状をそのまま維持することはないと思うが、全く要らないとも思っていない。年度中に検討結果を示す。
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