上気道感染症(URTI)に伴う咽頭痛、鼻詰まり、咳嗽などの症状緩和には、古くから蜂蜜による代替医療が用いられている。英・Oxford University Medical SchoolのHibatullah Abuelgasim氏らは、1~65歳のURTI患者を対象としたランダム化比較試験(RCT)を含む14報についてシステマチックレビューとメタ解析を実施。標準治療群に比べ蜂蜜使用群ではURTIの症状改善に優れていたとBMJ Evid Based Med( 2020年8月18日オンライン版 )に報告した。(関連記事「 夜間の咳に対するハチミツの有効性は? 」)
Cochrane Database Syst Revでは小児の使用を推奨
URTIに対しては、抗生物質の処方頻度が極めて高いとされる( Lancet 2005;365:579-587 )。しかしURTIの大半はウイルス性であることから、抗生物質の処方では効果が得られないだけでなく、薬剤耐性菌の問題を引き起こす不適切処方にもつながる。
蜂蜜はURTIの症状に対する伝統的治療法である。最新のCochrane Reviewでは小児の急性咳嗽に蜂蜜を推奨しているものの(Cochrane Database Syst Rev 2018;4:CD007094 )、URTIの他の症状や成人におけるエビデンスは少ない。
Abuelgasim氏らは、2019年3月18日までにPubMed、Embase、Web of Science、Allied and Complemenary Medicine Database、Cochrane Libraryなどに登録されたURTI患者を対象に蜂蜜使用群および標準治療(抗ヒスタミン薬、去痰薬、咳止め薬、消炎鎮痛薬、L-カルボシステインシロップなど)またはプラセボ群における症状の改善を検討した文献を検索。1,345報から今回の基準を満たした14報1,761例(年齢1~65歳)を抽出した。
重度の咳嗽が有意に低減
メタ解析の結果、標準治療群に比べ蜂蜜群では複合的症状スコア(3報、平均差-3.96、95%CI-5.42~-2.51、I2=0%)の有意な改善が認めらた。さらに、頻回の咳嗽〔8報、標準化平均差(SMD)-0.36、95%CI-0.50~-0.21、I2=0%〕および重度の咳嗽(5報、同-0.44、-0.64~-0.25、I2=20%)についても、蜂蜜群で有意に改善していた。
研究間の結果のばらつきを評価する異質性(I2)は、最大20%と低かった。プラセボ対照試験は14報中2報であったが、複合的症状スコアに両群で差はなく、異質性が極めて高かった(SMD-0.63、95%CI-1.44~0.18、I2=91%)。加えて、Abuelgasim氏は「各研究で用いられた蜂蜜は成分が必ずしも均一でない点にも注意が必要」と指摘している。
薬剤耐性菌問題の回避に期待感
Abuelgasim氏らは「蜂蜜は標準治療よりURTIの症状改善に優れていた」と結論。さらに蜂蜜は安価で入手しやすく、アレルギーを有する者や1歳未満の乳児を除き、抗生物質による薬剤耐性菌問題を回避する代替法として安全に症状を改善できる可能性に期待感を示している。
その一方で、高品質な蜂蜜の流通整備やプラセボ対照試験の必要性などの課題は残さているとしている。(田上玲子)
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September 12, 2020 at 03:20AM
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上気道感染症には蜂蜜、標準治療上回る効果 システマチックレビューとメタ解析 - 読売新聞
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