ボクシングのWBC&WBO世界スーパーバンタム級2団体統一王者・井上尚弥(大橋)が26日、4階級制覇から一夜明け、神奈川・横浜市内の所属ジムで会見した。前夜は東京・有明アリーナでスティーブン・フルトン(米国)に8回1分14秒TKO勝ち。世界2人目の4団体統一と4階級制覇の両方を達成した。またも世界に衝撃を与えたTKO劇を振り返るなど、心境を語った。
井上尚弥が2団体王座奪取から一夜明け会見
ボクシングのWBC&WBO世界スーパーバンタム級2団体統一王者・井上尚弥(大橋)が26日、4階級制覇から一夜明け、神奈川・横浜市内の所属ジムで会見した。前夜は東京・有明アリーナでスティーブン・フルトン(米国)に8回1分14秒TKO勝ち。世界2人目の4団体統一と4階級制覇の両方を達成した。またも世界に衝撃を与えたTKO劇を振り返るなど、心境を語った。
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衝撃から17時間半。井上は柔らかく、いつも通り試合翌日とは思えない綺麗な顔で会見した。試合を終えた後について問われると「昨日は家族親戚で食事をちょろっと。一睡もしてないので、ちょっとおかしい(笑)」と興奮で寝付けなかったことを告白。「寝ようと何度も試みたけどアドレナリンが出て眠れない。それだけこの試合に想いがあった」と率直な心境を語った。
「試合は見ました」と打ち明け、「戦前は相手を物凄く過大評価して臨んだので、落ち着いて入れた。(ダウンシーンのパンチは)練習していたし、それが8回にハマった。左のボディージャブを散らしていった。それがよくフィットした」と振り返った。
しかし、会見中には仰天発言も。当面の予定を問われると「今日このあと、練習をしようかと」と笑顔で話した。隣に座る大橋秀行会長が「えっ?」と驚くと、井上は「まぁ、気持ちはあります(笑)。1週間くらい休んで状態を見て考えたい」と自重気味に話したが、それだけダメージは少ないようだ。
今後についても言及。「しっかりスーパーバンタム級がきつきつになるまで、この階級にいる。無理して上げない。4団体統一しても、留まると思う」と当面はスーパーバンタム級に留まることを明言。「前から言うように階級制のスポーツなので、しっかり自分の体と相談したい」と説明した。
前夜は序盤からエンジン全開。高速ジャブの差し合いを制し、メイウェザーの代名詞「L字ガード」で圧をかけた。4回まで全ポイントを奪い、前に出なければならないフルトンを待ち構える。隙をついたのは8回。右ストレートで顎をぶち抜き、倒れかかったところに追撃の左フックをお見舞いした。ダウンを奪い、再開後も猛ラッシュでレフェリーストップ。カネロことサウル・アルバレス(メキシコ)に次ぐ世界2人目の4団体統一と4階級制覇を達成した。
昨年12月にバンタム級で4団体統一を達成。今年1月に王座を返上し、1階級上で1.8キロ重いスーパーバンタム級に転向した。挑戦者は2018年5月以来5年2か月ぶり。スピード、パワー、モチベーションも増してリングに上がった。
観戦に駆けつけたWBAスーパー&IBF王者マーロン・タパレス(フィリピン)とリング上で年内の4団体統一戦の実現を約束。現時点では2階級で4団体を統一した選手は世界で一人もいない。29日(日本時間30日)にWBO世界ウェルター級王者テレンス・クロフォードが、3団体統一王者エロール・スペンスJr.(ともに米国)に勝てば世界初となる。
(THE ANSWER編集部)
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