赤羽一嘉国土交通大臣は6月2日に開かれた定例会見で、JR東海の金子慎社長がリニア中央新幹線について「6月中にも準備工事に入らなければ2027年の開業が困難」と5月29日の社長会見で述べたことについて、記者の質問に答えた。
リニア中央新幹線の建設については、静岡工区における大井川水系の水資源問題をめぐり、工事主体のJR東海と静岡県や流域市町村との間で問題解決へ向けたやりとりが続いており、6月2日までに科学的な見地に基づいた有識者会議が3回開かれているが、1回目の会議で「あまりに高い要求を課して、それが達成できなければ、中央新幹線の着工も認められないというのは、法律の趣旨に反する扱いなのではないかと考えているものです」と金子社長が述べたように、JR東海には危機感が垣間見える。
今回の金子社長の発言もそれを如実に示したものとも言えるが、これについて赤羽大臣は「コメントする立場ではない」としながらも、「1つはリニア中央新幹線の早期実現ということと、もう1つはその建設工事に伴う水資源と自然環境への影響の回避・軽減を同時に進めなければならない、この2本柱が大変重要だと考えております」と述べ、事業主体として最大限の努力をする必要があるという考えを示した。
一方、静岡県の川勝平太知事は、5月27日の県知事会見の席上で、最初の有識者会議で金子社長のふさわしくない発言を許したとして、国土交通省の水嶋智鉄道局長を名指しで非難したが、これについて赤羽大臣は、5月29日に開かれた定例会見で「県民を代表される知事職という大変重い、重責にある方が、記者会見という公開の場で、御自身の部下ではない者を名指しで、あのような表現で非難されたということは、一般的にはあまりこれまでなかったのではないかと思いまして、私自身は、いったい何が起こったのかということで、言われた点について事実関係を確認させていただきました」と述べ、川勝知事の態度を牽制した。
有識者会議を主催する国土交通省と静岡県との間にも不穏な空気が漂よい始めたとも言えるが、赤羽大臣は静岡県の要求に沿って、有識者会議のマスコミへの公開や議事録の速やかな公開などを行なっているとしており、1回目と2回目の有識者会議について「順調に議論が進んでおりまして、座長をはじめとする各委員の先生方からは、会議の運営について特段の御意見や御不満もなく、御理解いただいて、円満に運営されていると考えております」と述べている。
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June 03, 2020 at 03:15PM
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JR東海「6月中に準備ができなければ、リニアの2027年開業は困難」…赤羽大臣「最大限の努力を」 - レスポンス
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