今、世界の多くの場所で外出の自粛が叫ばれている。
トルコも、「家にいよう」というスローガンや、保健省のファフレッティン・コジャ大臣が家にいることの重要性を訴えるために唱え始めた「生活は家にすっぽり入る」というスローガンを浸透させることにより、新型コロナウイルス感染拡大防止に全力で取り組んでいる。
一部の県では、信号のランプに「家にいよう」「家に帰ろう」というスローガンを表示させ、外にいないよう促している。
最近オリンピックとパラリンピックの1年延期が決まった日本(にほん)の東京都(とうきょうと)も、この週末の不要不急の外出の自粛を都民に要請した。
東京都で3月24日、17人の新規感染者が確認され、感染者の数が171人になった。この数は、1日当たりの新規感染者の数の過去最高を記録したばかりでなく、これまで日本で一番感染者の数が多かった北海道(ほっかいどう)を抜いて、日本で感染者が一番多い都道府県(とどうふけん)となった。
その翌日の3月25日には、前日(3月24日)の2.5倍近くに当たる41人の新規感染者が確認された。そのうち、確認された時点で感染経路がわかっていない人が13人いると言う。
これを受けて、東京都の小池百合子(こいけ ゆりこ)知事は日本時間の3月25日の夜、緊急の記者会見を開き、「平日は極力自宅で仕事」「夜間の外出自粛」「今週末(3月28日と29日)の外出自粛」を要請した。
今の状況を一言で「感染爆発(オーバーシュート)の重大局面」と表現した小池知事は、「この認識を皆と共有し、ひとりひとりの行動が社会に影響をもたらすという自覚を持ってもらい、難局を皆と共に乗り越えていきたい」と述べた。
しかし、その翌日の3月26日には47人の新規感染者が確認され、過去最多記録を更新した。
◇ ◇ ◇
日本は今、「日本人の心の象徴」を表す桜の花が満開の季節。
気象庁は3月22日に東京都の中心部の「ソメイヨシノ」という品種の桜が満開になったと発表した。
この週末は、桜の花を見に行く、日本人にとって最も重要な季節の伝統かつ習慣である「お花見」を楽しみにしていた人も多かっただろうと思われる。
命の花とも言うべき桜の花を見る楽しみを奪われてしまった日本人が感じる精神的苦痛は想像に難くない。
しかし、日本のメディアの報道によると、外出自粛要請が出されたことから、自由にお花見をすることができなくなるような措置まで取られると言う。
それだけにはとどまらず、東京都と都に隣接する神奈川県(かながわけん)、千葉県(ちばけん)、埼玉県(さいたまけん)、山梨県(やまなしけん)の4つの県は、感染者の爆発的な増加(オーバーシュート)や都市封鎖(ロックダウン)などの最悪の事態を回避するため、不要不急の外出を自粛するよう要請する内容の知事共同メッセージを発表した。
さらに追い討ちをかけるように、東京都とは隣接していない栃木県(とちぎけん)、静岡県(しずおかけん)、長野県(ながのけん)、新潟県(にいがたけん)、宮城県(みやぎけん)の知事も、東京方面への不要不急の外出を自粛するよう求めた。
その後、週末の不要不急の外出自粛期間を4月12日まで延ばした小池知事は日本時間の3月28日、初めての週末の不要不急の外出自粛期間に入ってすぐに、ソーシャルメディアを通じて発信したメッセージで、「桜は来年も必ず咲く」と断言し、来年皆でお花見を楽しむためにも、新型コロナウイルスのたたかいという非常事態を長期戦にしないためにも週末の外出自粛に協力するよう改めて求めた。
まるで釘を刺したかのようにも受け取られかねないメッセージではあるが、なぜ小池知事は日本人が一番楽しみにしているお花見を奪い、他の県にも協力を求めてまでして、外出自粛を要請したのか。
せっかくの桜満開の時期なのだし、お花見とまではいかなくても、ちらりと桜を見に行って何が悪いのか。
そして、そもそもどこも悪くないのに、なぜ家にいないといけないのか。感染した人や感染の疑いがある人だけが隔離されていたら良いのではないか。
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トルコの保健科学大学の教員で公衆衛生専門家のメティン・ハスデ教授によると、新型コロナウイルス感染拡大防止の鍵は「ソスヤル・メサーフェ」にある。
「ソスヤル・メサーフェ」とは「社会的距離」のこと。ハスデ教授は、「家の中にいる」「社会的距離を置く」ことは新型コロナウイルスのような呼吸器系に感染するウイルスの感染経路を断ち切るのに最も効果的な予防手段だと語る。
ハスデ教授によると、ウイルスに感染している人(1人)が、感染する前と全く変わらない生活を送った場合、1か月後には感染者の数が406人になってしまう。
しかし、社会的距離を置いて、人との接触を50パーセント減らすと、1か月後の感染者の数は15人と激減する。さらに、人との接触を75パーセント減らすと、1か月後の感染者の数を2.5人にまで減らすことができる、というのである。
世界的に有名なトルコの心臓外科医でアメリカ在住の「ドクター・オズ」こと、メフメト・オズ医師も同じことを言い、家にいるよう呼びかけている。
ナショナルジオグラフィック日本版サイトで3月27日に公開された「驚きの特殊能力、『社会的距離』をとって感染を防ぐ動物たち」によると、感染症が当たり前の自然界では、「社会的距離」をとる戦略はとりたてて新しい概念ではない。病原体に感染した仲間をコミュニティーから追放するいくつかの社会的な種があり、感染した仲間を攻撃するもの、ただ避けるだけのものなど動物によってさまざまな社会的距離戦略があると言う。しかし、自然保護団体ザ・ネイチャー・コンサーバンシーのジョセフ・キーセッカー首席研究員は人間と動物との間には大きな違いがあり、動物は人間と違って「自宅にとどまれば、感染率が下がる」ことに気がついていないと指摘している。
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ハスデ教授によると、新型コロナウイルスに感染した人の8割は、治療の必要性を感じることなく体内に免疫力がつくと言う。
それならば感染していなければ家にいる必要はないのではないか。
しかし、ハスデ教授は、「感染していることに気づいていない人が家族、近所の人、バスの中の人、職場の人などに新型コロナウイルスを感染させてしまうのだ」と付け加える。
ハスデ教授は、「個人的なリスクが低いと見られているため、いくつかの予防措置は厳しすぎるように考えられてしまうかもしれないが、社会的リスクは非常に高い」と指摘し、こう説明した。
「高齢者、特に高血圧や糖尿病や心臓血管疾患といった慢性疾患を患っている人は、リスクが最も高い人たちである。特に65歳以上の人が重症化している。
また、呼吸困難に陥る可能性が極めて高く、入院や集中治療を余儀なくされている。そのため、感染者数の増加を極力最小限に抑えること、感染速度を遅らせることは非常に重要である」
もしも今、自分が感染したことに気づいていない「隠れ感染者」だったとしたら・・・そして、あちこち出歩いて知らず知らずのうちにいろいろな人にうつしてしまったら・・・。特に65歳以上の人や慢性疾患を患っている人が感染してしまったら、命取りにもなりかねない。
そして、そういった「隠れ感染者」があちこち歩き回っていたら、感染者の爆発的な増加(オーバーシュート)という事態を避けることは難しいだろう。そうなってしまったら、いつまでたっても収束しない。
世界の未来のためにも、今はひとりひとりが家の中にすっぽり入ってとどまっていることが必要な時期である。
2020年3月27日 金曜日
文責: 浅野涼子
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March 28, 2020 at 09:22AM
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