コロナ以降、特殊詐欺の認知件数が右肩上がりで増えている。これほど連日のように詐欺被害がニュースになっているのに、依然として騙される人がいることを不思議に思う。昨今では、従来型の特殊詐欺に加えて、SNS型の投資詐欺やロマンス詐欺の被害が急増している。
特殊詐欺の危険性が周知できない不思議
新型コロナの緊急事態宣言下では、マスクの着用が周知され、老いも若きも、カタギもヤクザもマスクを着用していたのに、なぜ、特殊詐欺や各種詐欺、闇バイトの剣呑さが周知できないのか得心がゆかない。
警察庁は「特殊詐欺連合捜査班(TAIT)」を発足させ、特殊詐欺等を広域的に敢行する集団「匿名流動型犯罪グループ(トクリュウ)」の実態把握と取り締まり強化に乗り出した。「トクリュウ」とは、アングラ化した暴力団離脱者のみならず、暴力団と持ちつ持たれつの関係にある準暴力団や半グレ、不良外国人等の犯罪グループを含む概念である。
トクリュウは、特殊詐欺や強盗(タタキ)だけでなく、昨年から急速に増えているSNS型投資詐欺やロマンス詐欺でも暗躍していると見られる。
高齢者に代わる新たなターゲットは中年世代
特殊詐欺の主な被害者である高齢者の場合、その被害を防ぐ難しさも理解できるが、SNS型投資詐欺やロマンス詐欺の主な被害者は中高年(40~60代)だという。
SNS型投資詐欺とは、相手方が、主としてSNSやその他の非対面での欺罔行為により投資を勧め、投資名目で金銭等をだまし取る詐欺(特殊詐欺又はロマンス詐欺に該当するものを除く)。
ロマンス詐欺とは、相手方が外国人又は海外居住者を名乗り、SNSやその他の非対面での連絡手段を用いて被害者と複数回やり取りすることで恋愛感情や親近感を抱かせ、金銭等をだまし取る詐欺(特殊詐欺に該当するものを除く)。
投資詐欺とロマンス詐欺を、警察庁は以上のように「暫定的に定義」している(警察庁 捜査第二課、組織犯罪対策第二課「広報資料」)。
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