専門家や高度な技術が環境保護にできることは限られている。自然生息地の効果的なスチュワードシップは、そこに住み、働く人々の参加にかかっている。
地域社会は、地域の環境問題を実体験として理解している。彼らは個人的に影響を受けている。彼らこそが当事者なのだ。
私が勤めるレッドシー・グローバル社は、サウジアラビアの西海岸に高級リゾートを建設し、王国を世界の観光地図に載せる手助けをしている。
完成すれば、私たちのフラッグシップ・デスティネーションであるザ・レッドシーとAMAALAは再生可能エネルギーのみで運営されることになり、すでに約76万枚のソーラーパネルが設置されている。
私たちは、2040年までに30％の正味保全利益を達成することを目指している。また、2030年までに5,000万本を植林する計画のうち、100万本以上のマングローブの苗木を植林した。
環境を維持・育成するためには、規則や規制を守るだけでは不十分である。隣人である農民、漁師、町の人々を巻き込まなければならない。
私たちのアプローチは、単に地域社会と関わるだけでなく、彼らに力を与えなければならない。彼らの声を聞き、彼らの要望や懸念を表明する手助けをすることで、私たちは環境を保護し、向上させるために不可欠なパートナーシップを築くことができる。
私たちは地域社会に力を与え、彼らが自然生息地の再生における真のパートナーとなることを可能にすることが不可欠なのである。
ラエド・アルバセット
レッドシー・グローバルでは、このコンセプトをすべての行動を方向付ける基本原則に集約している： 私たちは人と地球の両方に貢献することを目指している。これは野心的な目標であり、自分たちだけでは達成できないことも承知しています。だからこそ私たちは、集団的アプローチと強力なパートナーシップの構築を提唱しているのだ。
私たちの協力関係は草の根的なものから戦略的なものまで多岐にわたり、民間部門、サウジアラビアの国立環境コンプライアンス・センターなどの政府機関、そして幅広い市民社会と非営利団体が関与している。
地域コミュニティに力を与えるということは、彼らの意識を高め、能力を向上させ、必要な知識や資源と結びつけることを意味する。このようなエンパワーメントの好例が、レッドシー・グローバルが共同で設立した農民協同組合タマラである。
2021年、私たちは将来のホテル用に新鮮な野菜や果物の供給を求め、私たちの地域に住む2,000人以上の農家を訪ねた。これらの農家は、高値の肥料や技術的な専門知識の欠如、農産物の販売を困難にする限られた交通手段など、彼らが直面する多くの課題について話してくれた。
そこで私たちは手を差し伸べ、2022年のタマラ設立を支援した。今日、地元の農家は高品質のキュウリやトマトなどの野菜を紅海の目的地に直接届けている。農場から食卓に届くまで、ジェッダにある供給拠点からトラックで北上する場合に比べて、この農産物の二酸化炭素排出量ははるかに少ない。
タマラはまた、より高く持続可能な基準での生産について農家に助言する農業エンジニアを雇用している。今後、地元の農家が水や化学薬品、肥料をより賢く使うようになるはずだ。
タマラを通じて地元農家とのパートナーシップが成功したのは、私たちが地元の声に耳を傾けたからである。彼らの課題を解決し、環境への影響を軽減するために協力した。
地元のエンパワーメントの例としては、レッドシー・グローバルが1月に実施したウムルイという町の伝統的なヨットの修復プロジェクトがある。私たちの目的は、コミュニティがその豊かな海洋遺産を復活させ、保存するのを支援することだった。
1カ月にわたるこのイベントは、地元の漁師とその家族によって監督された。私たちは、ボートの修復作業員が最善の環境慣行に従うことを保証した。民間のパートナーは、修復のために環境にやさしい塗料を提供した。
コミュニティのエンパワーメントのためのもうひとつの取り組みは、紅海の近隣に住む人々のために私たちがデザインした携帯電話アプリである。これはオープンな双方向コミュニケーション・チャンネルで、コミュニティはフィードバックや提案、苦情を直接私たちに伝えることができる。このアプリはJewarと呼ばれ、直訳すると “良き隣人 “となる。Jewarはまだベータ版だが、すでに17,000人近くがダウンロードしている。
私たちはこのアプリを使って、ウムルイ・コミュニティにヨットの修復プロジェクトを告知した。また、12月に行ったゴミ拾いのような環境キャンペーンを告知するのにも使っている。
農民協同組合、ヨットの修復、携帯電話アプリなど、これらの多様な例は、コミュニティ参加への唯一の限界は想像力であることを示している。
とはいえ、真に優れた成功を収めるためには、基本的なことを超えていかなければならない。地域社会に力を与え、自然生息地の再生における真のパートナーとなることを可能にすることが不可欠なのだ。
パートナーシップも成功するようには、環境を守る草の根の取り組みは信頼と尊敬から発展するものである。レッドシー・グローバルでの経験から、私たちは謙虚に行動し、地域社会の声に耳を傾けることを学んできた。多くがそうすることができれば、私たち全員、そして私たちの環境はより良いものになるはずである。
– ラエド・アルバセット氏は、サウジアラビア北西部沿岸の2つの観光プロジェクト、The Red SeaとAMAALAを手がけるデベロッパー、レッドシー・グローバルのグループ環境・持続可能性最高責任者である。
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