令和5年6月23日
令和5年3月24日付けで京王電鉄株式会社(以下「京王電鉄」)より申請のあった、旅客運賃の上限変更については、令和5年6月13日に運輸審議会より「認可することが適当である」旨、答申が出されましたので、本日、国土交通省として認可いたしました。 |
鉄道の旅客の運賃は、鉄道事業法第16条第1項に基づき、その上限を定め、国土交通大臣の認可を受けな
ければならないとされています。認可にあたっては、同法第16条第2項に基づき、能率的な経営の下におけ
る適正な原価に適正な利潤を加えたものを超えないものであるかどうかを審査することとされており、また、
同法第64条の2に基づき、運輸審議会に諮らなければならないこととされています(軌道法においても同様
の取り扱いを実施)。
令和5年3月24日付けで京王電鉄より申請のあった、旅客運賃の上限変更について、運輸審議会に諮問した
ところ、令和5年6月13日に「認可することが適当である」旨の答申が出されました。これを受け、本日、
国土交通省として申請どおり認可をいたしました。
■運賃の改定概要
京王電鉄における新型コロナウイルス感染症の影響は甚大であり、コロナ禍以前の平成30年度に対する
輸送人員の減少率は、令和2年度で▲33.5%、3年度で▲26.1%となっている。
また、鉄道事業の営業収支は、令和2年度で▲97億円、令和3年度で▲14億円と2期連続で営業赤字
を計上するなど厳しい経営状況にある。
今後も、輸送人員は、回復基調にはあるもののテレワークなどの新しい生活様式の浸透や企業・経済活動
などの変容、中長期的 な沿線人口の減少などにより、今後もコロナ禍前の水準までは戻らないと見込んで
いる。
一方で、増加する老朽施設の更新や令和3年10月に発生した京王線車内傷害事件を受けた防犯・セキュ
リティ対策、大規模自然災害への対策、ホームドアなどのバリアフリー対策、連立事業などの大規模工事の
推進などの各施策を継続・推進することが必要である。
このため、安全・サービス投資と設備の健全な維持・更新を確実に実施し、公共交通機関としての社会的
使命を果たすため、京王電鉄の徹底した経営努力を前提に、運賃改定を実施するもの。なお、家計への負担
に配慮し、通学定期については、運賃を据え置く予定。
今回の認可は、令和11年3月31日までの期限を設け、運賃改定後の令和6年度から3年間(令和8年
度まで)の総収入と総括原価の実績を確認することとする。
【変更内容】
○普通旅客運賃
・初乗り(1~4km)運賃は1円単位運賃で14円、10円単位運賃で10円の値上げ。
その他区間は最大で42円(1円単位運賃)の値上げ。
○定期旅客運賃
(通勤定期旅客運賃)
・普通旅客運賃の値上げに合わせて改定。
(通学定期旅客運賃)
・据え置き。
○実施予定年月日:令和5年10月1日
○改定率
改定率 | |
普通運賃 | 13.8% |
定期運賃 | 12.5% |
全 体 | 13.3% |
通勤37.6%(現行37.6%)
通学80.1%(現行77.4%)
○収入原価 (単位:百万円)
令和3年度 (実績) |
令和6~8年度推定 (3年間平均) |
||
現 行 | 改 定 | ||
収 入 | 64,414 | 76,852 | 85,190 |
原 価 | 75,695 | 86,519 | 86,519 |
差引損益 | ▲11,281 | ▲9,666 | ▲1,329 |
収支率 | 85.1% | 88.8% | 98.5% |
<参考>
○鉄道事業法(昭和61年法律第92号)
(旅客の運賃及び料金)
第十六条 鉄道運送事業者は、旅客の運賃及び国土交通省令で定める旅客の料金(以下「旅客運賃等」とい
う。)の上限を定め、国土交通大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするとき
も、同様とする。
2 国土交通大臣は、前項の認可をしようとするときは、能率的な経営の下における適正な原価に適正
な利潤を加えたものを超えないものであるかどうかを審査して、これをしなければならない。
3~5 (略)
(運輸審議会への諮問)
第六十四条の二 国土交通大臣は、次に掲げる処分等をしようとするときは、運輸審議会に諮らなければならない。
一 第十六条第一項の規定による旅客運賃等の上限の認可
二~五 (略)
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