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Wednesday, December 14, 2022

なぜ日本で2nmの先端ロジック半導体を製造しなければならないのか - MONOist

 半導体を中心としたエレクトロニクス製品の国際展示会である「SEMICON Japan 2022」が2022年12月14日に開幕(東京ビッグサイト、会期:12月14〜16日)し、オープニングキーノートパネルとして、新たな半導体製造会社であるRapidusなども含む「半導体・デジタル産業戦略」に深く関わる主要メンバーが登壇し「グローバルリーダーを目指す産官学戦略」をテーマに、日本における半導体産業の在り方や社会変革の方向性などについて語った。

 登壇したのは、自由民主党 衆議院議員で半導体戦略推進議員連盟 会長を務める甘利明氏、TIA 運営最高会議議長で半導体・デバイス産業戦略検討会議の座長を務め、新会社Rapidusの取締役会長も担う東哲郎氏、理化学研究所 理事長の五神真氏、Rapidusと提携を発表した米国IBMでIBM Researchのシニアバイスプレジデントとディレクターを務めるDario Gil(ダリオ・ギル)氏、そしてRapidusの代表取締役社長となった小池淳義氏である。

photo SEMICON Japan 2022のオープニングキーノートパネルの様子。右から、Rapidusの小池氏、IBMのギル氏、自民党の甘利氏、TIAの東氏、理化学研究所の五神氏[クリックで拡大]

半導体産業を取り巻く大きな変化のうねり

 経済安全保障の考えもあり、日本政府が主導する半導体産業強化への取り組みはここ最近、活発化している。2021年6月には、半導体産業やデジタル産業を国家戦略として推進する「半導体・デジタル産業戦略」を取りまとめ、過去の失敗を踏まえつつ国内の半導体産業振興策のグランドデザインを示した。

 同時に国内への主力半導体企業の誘致や協業を進め、2021年11月には台湾のファウンドリー大手であるTSMCの工場(Japan Advanced Semiconductor Manufacturing)を熊本県に誘致することを発表。2024年の稼働を目指して準備を進めているところだ。

 さらに、「半導体・デジタル産業戦略」を具体的に推進する組織として、研究開発基盤と量産製造拠点の整備を推進。2022年7月には研究開発プラットフォームとして「Leading-edge Semiconductor Technology Center(LSTC)」を設立する一方で、量産製造拠点として新興企業のRapidusを選定。Rapidusを中心に2nmの量産についての技術蓄積を進め、2020年代後半に2nmプロセス半導体の量産を開始する方針を示している。

 Rapidusは、国内トップクラスの技術者が集結し、トヨタ自動車など8社からの賛同と出資を得て設立された企業だが、国内で最先端のロジック半導体の製造技術はないため、先進技術を持つ企業や研究機関との提携を積極的に進めている。2022年12月6日にはベルギーの半導体研究機関であるimecとのMOC(協力覚書)を締結した他、同年12月13日には、米国IBMとの共同開発パートナーシップを締結している。

photo SEMICON Japan 2022のオープニングでコメントを述べる内閣総理大臣の岸田文雄氏

 オープニングキーノートパネルに先立って行われたSEMICON Japan 2022の開会式では、内閣総理大臣の岸田文雄氏が来場し、半導体産業の重要性を訴えるとともに期待を強調。「半導体は、グリーンやデジタルなど社会課題を解決するエンジンとなるべき存在で、新しい資本主義を支える最重要物資である。円安のメリットを生かすためにも社会を支える半導体について攻めの半導体投資を進め、経済活動の強化に取り組んでいる」(岸田氏)と訴えた。

 また、TSMCの工場誘致による経済効果として、10年間で4兆円の経済効果と7000人の雇用を生むとし「熊本県だけでなく半導体の国内投資を全国に展開する。2022年度の補正予算では合計1.3兆円の予算を用意した。これにより次世代半導体開発を推進する」と岸田氏は政府としてのの意気込みを訴えた。

 今回、オープニングキーノートパネルに登壇した5人は、これら最近の国内半導体産業での動きの中心にいる人物であり、これらの動きがどういう狙いで進められているのかをそれぞれの立場で語った。

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