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Sunday, November 20, 2022

「第8波」の対策 自治体頼みで拡大を防げるか - 読売新聞オンライン

 新型コロナウイルスの流行が「第8波」に入ったとみられている。国や自治体は医療の提供体制を強化し、感染拡大に備えなければならない。

 全国の新規感染者数は2か月ぶりに1日10万人を超えた。北海道や東北など東日本で増加が目立ち、病床使用率が50%を超えた地域もある。ワクチン接種が進んでいない子どもを含む若年層への広がりも気がかりだ。

 地域によっては、インフルエンザの患者が増えている。学級閉鎖が報告され始め、同時流行の恐れがある。医療の 逼迫ひっぱく を防ぐには、先手先手の対策が欠かせない。

 政府は感染状況に応じた新たな対策を発表した。医療の負担が増大した場合、都道府県が外出自粛を求める対策強化宣言を出す。改善しなければ、医療非常事態宣言を発令して、外出を必要最低限にするよう要請する。

 発熱した患者については、医療機関に殺到しないよう、重症化リスクの低い人はコロナの検査キットで自主検査し、自宅療養してもらう。陰性の場合は、電話やオンライン診療などでインフルエンザの診断を受けるという。

 医療の逼迫を回避する狙いだろうが、対策を自治体や患者任せにした印象は否めない。政府がリーダーシップを発揮し、主体的に取り組むべきだ。

 コロナとインフルエンザの同時検査キットは現在、医療機関でなければ使えない。自宅療養を勧めるなら、薬局などで手軽に入手できるようにするのが筋だ。

 熱が高いケースなどは、外来で受診できる医療機関を増やす必要がある。自宅で療養を続けていた患者が、診察も受けられないまま重症化するような事態は、避けなければならない。

 こうした問題は以前から指摘されていた。政府がすべきことは、まだまだあるはずだ。

 国民の間には、ここ3年の「コロナ疲れ」が色濃く、以前のような危機感は薄れつつある。この状態が続けば、必要な感染対策まで緩むことにつながりかねない。

 移動やイベントが増える年末年始に向け、政府は率先して警戒の機運を高めてもらいたい。大勢での会食など感染リスクの高い行動を避け、換気の徹底といった基本的な感染対策を一人一人に再確認してもらうことが大切だ。

 ワクチンは、接種率の伸び悩みが課題となっている。副反応への不安が最大の要因だという。効果と副反応に関する情報をきめ細かく発信してほしい。

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