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Saturday, October 15, 2022

子どもの予測不能な行動に「怒りは生じていい」叱らなければいけない時、小学校教員が実践していること|秋田魁新報電子版 - 秋田魁新報電子版

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どうすれば叱った内容を理解してもらえるか?
どうすれば叱った内容を理解してもらえるか?

 子どもがとる、突拍子のない行動。本当はその瞬時の行動にも子どもなりの理由や意味があるかもしれないが、その時の保護者のメンタル、周囲からの目線、子どもの安全面などが気になり、つい「なんでそんなことしたの!」と語気を強めてしまうことも…。思わず怒りの感情が沸き上がった時、どのような対処をするか。小学校の教員として働く2児のパパ・トモ先生(@tomotomo.teacher)は「学校での子どもたちへの接し方が、家庭でも役立つ場面がある」と話す。

【画像】子どもの行動にイラッ…「感情をぶつけそうになったら?」先生が大切にしていること

■「先生は”悲しい”よ」感情をぶつけるのではなく、”伝える”

ーートモ先生はインスタグラムで教員向けに学級づくり・授業づくりの情報を発信していたり、学校の様子が知りたい保護者の方に向けての情報を発信していらっしゃいます。普段教員として子どもに声掛けをする際に、気を付けていること、大切にしていることはなんですか?

「自分の子どもに対しても学校の子どもに対しても、ネガティブな言葉は使わず、ポシティブな言葉を使うように意識しています。ネットやテレビを見ていると、『ばか、あほ、死ね』の言葉が使われます。私たちにとってネットやテレビは生活環境の一部で、そういった言葉は身近であり、意識しなければ影響を受け、当たり前のように使ってしまいます。

 だからこそ、周りの大人がネガティブな言葉を使わずにポジティブな言葉を使うように心がける必要があると考えます。例えば、子どもがいけないことをしたら、『悲しい』と伝え、子どもがいいことをしていたら『嬉しい』と伝える。感情をぶつけるのではなく、”伝えること”を意識します」

ーー学校での声かけが、家庭でお子さんへの声かけに役立つのはどんな時ですか? エピソードとともにお聞かせください。

「子どものとった行動に対して、『なんでそんなことをしているんだろう?』と、待てることです。例えば娘がお風呂から上がった後、髪を乾かそうとした時のことです。乾かし始めたら、走ってどこかに行ってしまいました。『待ちなさい!』と言おうと思いましたが、グッとこらえて様子を見ました。すると、絵本を持って帰ってきたのです。その後は、私の足元に座って静かに絵本を読みながら髪を乾かすことができました」

ーーグッとこらえて、その後どのように声かけをしたのでしょうか?

「私が『絵本を読みたかったんだね』と言うと、娘は『うん』と嬉しそうにしていました。走ってどこかに行って、その先で遊んでしまっていることもあります。その時は、『髪を乾かす時間だよ』と、その先まで迎えに行くようにしています。うまくいくことばかりではありませんが、子どもの内面を意識できることが役立っています」

■「怒りやイライラの感情が起きることは、決して悪いことではない」

ーー子どもは本当に予測できない行動をしますよね。

「子どもは、その瞬間を生きているので、突発的な行動をとることがたくさんあります。もちろん、安全に関わることは、その瞬間に静止することが大切ですが、突発的な行動に対して『待つ』ことで、子どものその瞬間の考えを大切にできるようになったと感じています」

ーー子どもがイタズラしていたり、してはいけないことをしている時、保護者はどのように感情を整理するべきでしょうか? 子どもに危険が及ぶときは保護者もボルテージがあがり、ついつい「なんでそんなことしたの!」と強めの言葉が出てしまう時がありますが…。

「怒りやイライラの感情が起きることは、決して悪いことではないと考えています。何か事が起きて、怒りやイライラの感情が起きたと言うことは、本能的に『許せない』と瞬時に判断したからです。しかし、瞬時に起きた怒りの感情に支配されてしまうと、なぜ『許せない』と思ったのか、頭で理解をすることができません。そこで、『今、なんで自分には怒りの感情が起きたんだろう?』と、俯瞰して考えるようにします。

 10秒くらい自分に問いかければいいと思います。すると、怒りの感情はおさまり、冷静になることができます。自分の怒りの原因と向き合おうと意識することで、冷静になり子どもと向き合うことができるようになると感じています」

ーー対処しなければならないことが起きて、子どもから事実を引き出すとき、「なんで」「どうして」という言い方はせずに、その言い換え表現として「何~?」という表現を使うとよいとSNSで紹介されていました。「なんで」「どうして」を使わないほうがよい理由は?

「何かあるとどうしても『なんでそんなことをしたの!』『どうしてそんなことをするの?』と聞きたくなってしまいます。こちらは責めているつもりはありません。しかし、『なんで』や『どうして』は相手にとっては人格を責められているような感覚を与えてしまい、子どもは何があったか話しづらくなってしまいます。

 そんな時に『何か理由があるの?』『そんなことをしてしまった理由は何?』と、『何〜?』に言い換えることで、責めている感覚を与えずに事実に焦点を当てて話を引き出すことができます。『罪を憎んで人を憎まず』という言葉があります。『なんで』『どうして』を『何』に言い換えることで、人ではなく起こってしまった事に焦点を当てて事実を引き出すことができるようになります」

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