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Tuesday, October 18, 2022

経団連:定例記者会見における十倉会長発言要旨 (2022-10-17) - 日本経済団体連合会

2022年10月17
一般社団法人 日本経済団体連合会


【為替】

足元で生じている急激な為替変動(円安)は、企業や国民生活に影響を及ぼしている。政府には焦点を当てた対策をしっかりやってもらいたい。

現下の円安は、日本と欧米との間の金利差の拡大を背景にした投機的な動きに起因するものである。米国は過熱した経済を冷やすことに傾注しているので、日米の金利差は拡大していく方向にあると投機筋は読むであろうから、円安基調はしばらく続くのではないか。

短期的には、電気・都市ガス料金の負担軽減策等が急務である。中長期的には、エネルギーや食料の安全保障を含め日本経済をより強靱にしていく施策が必要である。加えて、円安を嘆いているばかりではなく、逆に利用することで日本経済を強くしていくという視点も大事にすべきである。円安を生かしてインバウンドを呼び込むとともに、訪日歴のある海外の方々に向けてソフトパワーを生かしたり、食を輸出していったりという手もある。

円安に歯止めをかけるために金融政策で為替をコントロールするのは本筋ではない。政府の市場介入は、いわば伝家の宝刀である。行き過ぎた変動に対して断固たる姿勢で臨むことが引き続き重要だろう。

【都市ガス料金の負担軽減】

〔政府が都市ガス料金の激変緩和措置の検討をしていることについて問われ、〕日本では、原料となるLNG調達の長期契約比率が高いことから、調達価格は安定していた。ロシア・ウクライナ情勢に伴うエネルギー価格の高騰が続く中、OPECプラスの減産決定もあり、冬場の需要増加を前に、調達価格の上昇が都市ガス料金に跳ね返るのを見越して、政府が対応を表明したものであろう。迅速に手立てを講じようという姿勢は心強く、評価している。

【防衛費増の財源】

ロシアのウクライナ侵略や台湾海峡をめぐる対立等を目にし、日本国民は防衛や安全保障の重要性について理解を深めている。防衛力強化に向け何らか手立てを講じなければという合意形成がなされつつある。防衛費の増額については、長期的な観点から、国民全体でどう負担するのか、よく議論しなければならない。防衛計画の中身とも照らし合わせ、財源はじめ要点を踏まえた幅広い議論が必要となってくる。こうした段階で、法人税だけが一人歩きするのはどうかと思う。

【中台関係】

〔習近平総書記が共産党大会で、台湾問題の解決について武力行使という選択肢も放棄しない方針を示したことについて問われ、〕これまでの方針を堅持するという考えが示されたと理解している。一般的に、武力の行使という決定に至るまでには、様々な要素が考慮されるものではないか。

以上

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