【キーウ=梁田真樹子】国際原子力機関(IAEA)の調査団は8月31日、ロシア軍が占拠するウクライナ南部ザポリージャ原子力発電所まで約50キロ・メートルの距離にあるザポリージャ市に到着した。1日にも原発に入り、調査を開始する見通しだ。
ロイター通信などによると、調査団を率いるIAEAのラファエル・グロッシ事務局長が、31日にザポリージャ市で記者団の取材に応じた。グロッシ氏は、原発があるエネルホダル市で砲撃があったとの情報が流れたことを踏まえ、「リスクがないとは言い切れないが、やらなければならない」と語った。
調査団は同原発で、施設の損傷の有無のほか、核物質の管理や緊急時の代替電源の状況、原発職員の労働実態などを確認する予定だ。グロッシ氏は調査に数日は要するとの認識を示し、「可能であれば(滞在は)長くなる」と述べた。ただ、地元の親露派幹部は露メディアに対し、調査は「1日のみ」と話しており、調査団が確認作業に必要な時間を十分に確保できるかどうかは不透明だ。
IAEAはオーストリアの本部で、ウクライナ当局から同原発の稼働に携わるデータの提供を受けるなどして遠隔監視を行っている。今後は専門家らを同原発に常駐させることを検討しており、原発の稼働状況の把握を確実に行いたい考えだ。
同原発周辺では砲撃が相次ぎ、緊張が高まっている。ロシアとウクライナの双方は、それぞれによる攻撃だと非難しあっている状況だ。グロッシ氏は、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領が求める同原発周辺の非武装地帯化について、「政治的な問題だ。我々の任務は原子力事故を防ぐという技術的なものだ」と話し、賛否への明言を避けた。
からの記事と詳細 ( IAEA調査団、ザポリージャ原発調査へ「リスクあるが…やらなければならない」 - 読売新聞オンライン )
https://ift.tt/yMtDulS
No comments:
Post a Comment