新型コロナウイルスの流行が収束しない中で、新たな感染症「サル痘」の感染が国内で確認された。国民が不安にならないよう、検査と治療の体制を整えなければならない。
サル痘の感染が確認されたのは、東京都内に住む30歳代の男性で、欧州に渡航した際、感染者と接触した。現在、入院しており、病状は安定しているという。
サル痘は5月以降、世界的な規模で感染拡大を続けている。先週までに75の国・地域で約1万6000人の感染が確認され、世界保健機関(WHO)は、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言した。
主な症状は発熱や悪寒、発疹で、感染経路は体液や発疹への接触、
とはいえ、国内はコロナの感染「第7波」のさなかにある。新たな感染症の広がりは、何としても防がねばならない。
空港検疫などの水際対策に加え、国内に感染が疑われる患者が出た場合、速やかに検査を受けられるようにすることが不可欠だ。国は、海外の事情も含め、特徴や感染状況の情報を素早く周知するよう努めてもらいたい。
検査は、国立感染症研究所や各都道府県にある地方衛生研究所が行う。どの地域で感染者が出るか予測は困難だ。いつでも対応できるように、しっかり体制を整えておくことが肝心だ。
治療は一般の医療機関で受けられ、症状に応じた対症療法が基本になる。このほか、国は、未承認の治療薬を海外から輸入して使えるようにした。
天然痘のワクチンも有効だとされる。濃厚接触者に接種すれば、発症を防ぐ効果があるという。国は、このワクチンをテロ対策として備蓄しており、近くサル痘への使用を審議する。手続きを早急に進める必要がある。
現在、感染者のほとんどが男性で、男性間の性行為に伴う広がりがみられる。感染者への偏見や差別は許されない。同時に、特定の人だけが感染するわけではないので、感染への警戒が必要だ。
個人の感染対策としては、マスクの着用や、せっけんを使った手洗いなどの手指衛生が大切になる。コロナ対策も兼ねて、基本的な感染予防を徹底したい。発熱や発疹など、気になる症状があれば、すぐに診察を受けてほしい。
からの記事と詳細 ( サル痘初確認 検査と治療の体制確立を急げ - 読売新聞オンライン )
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