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Monday, February 21, 2022

[グルージャJ2一岩]<中>「1万人収容」クリアできなければJ3降格も…盛岡に新スタジアム構想 - 読売新聞

 グルージャはピッチの外でも、スタジアム問題という難敵と向き合う。

 グルージャは2019年、Jリーグ除名の危機に立たされていた。ホームのいわぎんスタジアム(盛岡市)には当時、リーグが求める照明設備がなかったからだ。

 クラブは同年3月、照明設置などスタジアム整備を求める署名活動を開始。3か月弱で、14万人超の署名を集めた。県サッカー協会の佐藤訓文会長は「署名は9割が直筆で、まさに民意の表れだった」と振り返る。

 署名はスタジアム所有者の盛岡市を動かし、約6億円かけて照明灯が設置された。昨年6月には初のナイトゲームが実現し、観客たちは、まばゆい光に照らされた選手たちのプレーに胸を躍らせた。

 照明の整備は、なかなかグルージャ戦が見られなかったサッカー少年たちに思わぬ恩恵をもたらした。昼間に練習や試合を終えた後、観戦できるようになったのだ。県サッカー協会ユースダイレクターの鳴尾直軌さんは「プロ選手が子どもたちにとって身近な存在になった」と話す。

 J2に昇格したグルージャは今、スタジアム問題に直面する。リーグから1万人以上収容可能なホームスタジアムを求められているが、現状は半分以下だ。

 グルージャは昨秋、健全な運営や充実した観戦環境の整備を目指すJ2の「クラブライセンス」を一足早く取得。しかし、24年までにJ2規格を満たすスタジアムの詳細な計画をリーグに提出することが条件の「例外規定」による。この宿題を果たさなければライセンスは 剥奪はくだつ され、たとえ成績を残しても、J3降格が待っている。

 グルージャは、駅前など交通の便の良い場所に、J1規格の1万5000人収容のスタジアム新設を構想している。総工費は、同規模のJ3・AC長野パルセイロのホームスタジアムが80億円ほどかかっており、盛岡市や県に協力を仰がざるを得ない。両者とも「グルージャから計画が寄せられれば検討する。多額の税金を使うことになるので、市民や県民の理解が不可欠」と推移を見守る。一方、県サッカー協会は、署名活動に協力する意向を示している。

 クラブの台所事情も厳しい。J2昇格で、選手が増えたり年俸がアップしたりしたほか、遠征費用もかさみ、支出が増えている。収入は、リーグからの配分金が3000万円から約1億5000万円に増加し、入場料収入も増える見込みだ。だが黒字の確保には8億~10億円の営業収益が必要で、その半分はスポンサー収入を見込んでいる。メディア露出の増加などをPRし、地道に新規スポンサーの開拓に取り組む。

 クラブ運営会社の坂本達朗社長は「J2昇格で機運が高まっている今が、頑張り時。県のスポーツの将来のためにも、新しいスタジアムを造らなければならない」と力を込める。

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