東京都は4日、新型コロナウイルスの重症者以外は原則自宅療養とする政府方針を受け、入院基準の見直し作業を本格化させた。小池百合子知事は都庁で報道陣の取材に「現場の声を聴かなければならない。医師会や保健所、関係機関と連携を取る」との意向を示した。

関係者によると、血中酸素濃度が96%未満などを中等症以上としている現行基準の厳格化や、病院ごとに重症や中等症以下の担当を分けるなどの案が出ており、専門家の意見を聴いているという。

都の現行基準は昨年12月、療養先を選定する作業の迅速化や病床の効率的な運用を目的に策定。中等症の症状に至らなくても、基礎疾患がある患者などは原則的に入院としていた。政府は3日、新方針を自治体に通知。具体的な運用は各自治体の判断とした。

都内は7月以降の感染者急増に伴い、今月4日時点の自宅療養者は1万4783人に達している。入院患者が3399人なのに対し、入院先や療養先が決まっていない感染者は9708人に上り、調整が困難な状況。保健所から都への入院調整依頼も急増傾向にある。

都の担当者は現状を「入院先の調整を翌日に繰り越す場合もある。自宅療養者フォローアップセンターで一部電話が取れない状況があったり、食品配送に遅れが出たりしている」と説明する。(共同)