日本では、まだ“土葬”してもらうことが可能らしい。 講談社現代新書『土葬の村』(高橋繁行・著)に、そのことが詳しい。 【写真】死ぬ瞬間はこんな感じです。死ぬのはこんなに怖い 衝撃的な内容がちりばめられた新書である。 いまの日本では“火葬”がふつうである。 死ぬと、火葬場で焼かれ、骨となる。 それがふつうだとおもっている。 でもそれは「いまの日本」だけのふつうである。 日本以外の国では火葬はいまだにそんなにふつうではない。 また、昔の日本でもふつうではなかった。 かつての日本では土葬も多かった。 それ以前には風葬もあった。 土葬は土に埋めるもの、風葬は焼かず埋めず自然のなかに置いておくもの、である。 新書『土葬の村』は、タイトルから想像できる内容を越え、もっと原初的な形態だとおもわれる“風葬”や、野天で遺体を火葬する“野焼き”についても詳しく書かれている。 そのあたりが衝撃である。
土葬の手順
そもそも“土葬”はどういう手順で進められるのか。 詳しく聞き取り調査されている。 まず最初に、家族たちが遺体を清める湯灌から始まり、親族が死者とかなり濃密な時間を過ごすことがわかる。 むかしはいまのような寝棺ではなく、座棺だった。 落語を聞いているとわかるのだが、棺桶は「漬物樽」のような形をしていた。落語の『らくだ』や『黄金餅』では、貧乏なので棺桶を買う金がなく、漬物樽を棺桶代わりに使っているくらいだ。 この座棺を土に埋めていた、という話が多く採用されている。 座棺に入れるには、人が死ぬとまず膝を曲げなければいけなかった。 ふつう人は平らに寝たまま死ぬことが多いとおもわれるが、つまり膝を伸ばした状態で亡くなっていることが多く、そのままでは座棺に入らないのだ。死んだら、死後硬直が始まる前にまず、膝を曲げなければいけない、滋賀県近江市での「亡くなった親の膝を折っておくのは、息子ができる最後の親孝行」という言い伝えがこの本には記されている。 死んだ人に近い肉親が、亡くなったらまず膝を折ったのである。 死者との濃密な時間を過ごすというのは、たとえばそういうことを指している。
からの記事と詳細 ( 死者を「土葬」する…そのとき遺族がやらなければならない「壮絶な仕事」(現代ビジネス) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース )
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