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Friday, June 12, 2020

Amazon 新「Fire HD 8」レビュー。1万円切りタブレットはどれだけ使える?(PHILE WEB) - Yahoo!ニュース

激安タブレットは数多くあるが、その中でも代表格と言えるのがAmazonのFireタブレットだ。今回は、モデルチェンジした8インチモデル「Fire HD 8」「Fire HD 8 Plus」(第10世代機)を使ってみた。 【写真】iPad miniとサイズを比較 無印の「Fire HD 8」は、32GBモデルが9,980円、64GBモデルが11,980円(いずれも税込)という価格設定となっている。 はっきり言ってしまおう、この価格設定は安すぎる。セール時期にはさらに安くなる可能性もあることを考えると、目眩がするほどのプライシングだ。 Amazonサイト内でAndroidタブレットを検索してみると、安い機種も多く売られているが、それでも1万円切りというものはあまりない。あっても、あまり聞いたことのないブランドのものだったりする。 そもそもAmazonは、タブレット単体であまり利益を出そうと考えていないはず。ハードでしっかり利益を出しつつ、Fireタブレットと競っていかなければならない他社が、少し気の毒になるほどだ。 ■メジャーなアプリが増えてきた 基本的なことだが念のため最初に触れておくと、Fireタブレットに搭載されているOSはFire OSという名称。Androidがベースだが、Googleが提供しているAndroidとは別のOSだ。 アプリについても「Amazonアプリストア」からダウンロードするのが基本となり、Google Playで提供されているアプリは、基本的には利用できない。 Amazonアプリストアで提供されているアプリは、Google Playに比べると少ないが、Amazon系のアプリはもちろんのこと、NetflixやDAZN、Hulu、Abema、Gyao!など動画サービスアプリはかなり充実している印象だ。 Apple Musicなどアップル系アプリはほぼ無いが、それ以外のメジャーアプリについては、かなりラインナップが揃ってきている。 多くの方にとって気になるのは、YouTubeアプリが使えないことだろうが、ウェブ版YouTubeを、あたかもネイティブアプリのように使えるショートカットが用意されており、使ってみると、それほど違和感がなかった。 ■同程度のサイズのiPad miniと比べる 実際の使い勝手だが、まずタブレットを手に持ってみると、わりとズシリと重さを感じる。ちなみに質量は355gだ。厚さも9.7mmと1センチ近く、決して「薄い」という印象は受けない。特に、縦横のサイズがほぼ同じiPad miniと比べると、その厚さ、重さが際立つ。 とはいえ、iPad miniの現行モデルの価格は、64GBモデルでも45,800円(税抜)。Fire HD 8はその4分の1以下の価格だから、そもそも比べること自体ナンセンスなのだが、iPadの人気が高いこともあり、どうしても比較対象に置いてしまうのだ。 続いて画面を見てみよう。8インチディスプレイの解像度は1280×800ピクセルで、画素密度は189ppiだが、実際の画質はというと、あまり解像感が高くない。色の正確性、コントラストなどについても、決して良いとは言えない。 ただしこれも、iPhoneやiPadを見慣れているからかもしれない。これらと比較すると、どうしてもディスプレイのアラを感じてしまうが、ここで再び「1万円切り」という事実を思い返すと、十分納得できるクオリティだ。 特にモノクロの漫画との相性は良いと感じる。Eインクを搭載したKindleデバイスでは、どうしてもスクリーントーンなどがガタついて表示されるが、そういった心配がない。 カメラは背面に一つ、前面に一つ備えている。背面カメラで撮影してみたが、最近のスマホのカメラ性能が良すぎることもあって、それらと比べるとガッカリするかもしれない。明るい場所でもノイズが目立つし、少しくらい場所で撮るとかなり画が破綻する。背面カメラはQRコードの撮影用やメモの撮影など、かなり割り切った用途に使うのがよいと思う。 一方、前面カメラは720pで、フルHDではないものの、ノートPCに搭載されているものと比べてもそれほど悪くない。手持ちのMacBook Pro(2018 Late)より映像のヌケがよく、ビデオ会議などに適している。 その前面カメラの位置は、横向きに持った際、真正面の上部に来るように配置されている。後述するスピーカーもそうで、「デュアルステレオスピーカー」は、横持ちした際にちょうどよい位置にある。 逆に縦持ちすると、スピーカーを手で塞いでしまうことも多かった。iPadなどと異なり、基本的には横持ちでエンターテイメントを楽しむことをメインに考えた設計と言えるだろう。 なお、今回からUSB端子がUSB-Cになった。5Wの電源アダプターが同梱しており、これまでと比べてさらに早く充電できるようになった。今後はUSB-Cが主流になるはずで、この変更は歓迎したい。 搭載されているプロセッサーはクアッドコアで、クロック周波数は2.0GHz。無印のFire HD 8はRAMが2GBで、Fire HD 8 Plusは3GBとなる。このあたりのプロセッサーとメモリの強化で、30%の高速化を実現したと説明している。 実際に触ってみると、たしかに、操作への反応でモタつく印象はあまりない。かといって、すごく速いわけではない。ストレスを感じるほど遅くはないが、何でもキビキビ快適に動くわけではなく、アプリの立ち上げなども少し時間がかかる感は否めない。とはいえ、1万円を切る価格で、これだけきちんと動けば十分だと思う。 ゲームも遊んでみたが、Real Racing 3などでは、正直、かなりグラフィックが粗い。ポリゴン数が少なく、テクスチャーとポリゴンのあいだに白いラインが出たりする。 一方で「少女 歌劇 レヴュースタァライト -Re LIVE-」では、2Dアニメが中心ということもあり、美しいグラフィックを、ある程度快適に堪能できた。高いグラフィック性能を求められるゲームでなければ、しっかりプレイできるということがわかった。 ■手放しですごいと思えたのが「音」 さて、ここまでは「少し残念なところもあるが、1万円切りという価格を考えたら十分」という書き方が多かった、というよりも、そういう表現ばかりしてきた。 「安い」というエクスキューズがなくても、手放しですごいと思えたのが「音」だ。本機は従来モデルと同じくDolby Atmos対応なのだが、音作りがうまくまとめられている。サウンド面については、iPad mini 第5世代機より上だと思う。 ステレオ音源を再生しても、クリアで絶妙な広がり感のあるサウンドが再生される。タブレットで再生しているとは思えない、しかも1万円のもので鳴らしているとは思えない音質だ。 もちろんDolby Atmos対応なので、Amazon Music HDで提供している「3Dサウンド」楽曲との相性はバツグン。頭の後ろにまで音がぐるぐる回る、というところまではいかないが、タブレットの周囲に、少し広めのサウンドフィールドが作られる感覚だ。 この広がり感のあるサウンドは、NetflixやAmazon Prime Videoなど映像ストリーミングサービスでも活躍する。アプリではDolby Atmosアイコンなどは表示されず、内部でどのような処理が行われているか不明だが、映画やドラマを広がり感や奥行き感のあるサウンドで楽しめ、とても快適だ。台詞の明瞭さもコンテンツの魅力を高め、8インチ画面で視聴しているとは思えないほどの臨場感が得られる。 ■Zoomでのビデオ会議にもしっかり対応できる Amazonアプリストアには「Zoom」アプリも用意されているので、ビデオ会議にも対応できる。実際にZoomを使ってみると、前述したようにフロントカメラの画質はMacBook Proより良いくらいだ。スピーカーの音質も申し分なく、相手の声が明瞭に聞こえる。 ビジネス用途だけで無く、教育の現場でもオンライン授業が増えており、ビデオ会議用の端末が足りない、あるいは今後足りなくなりそう、という家庭も多いことだろう。そのようなニーズに本機はぴったりだ。 バッテリー持続時間にも軽く触れておこう。スペック上のバッテリー持続時間は最大12時間だが、たしかによく持つ。これだけバッテリーの持ちがよければ、長距離の移動時にも安心だ。 ■ワイヤレス充電スタンドも用意。Echo Showのように使える 上位機の「Fire HD 8 Plus」も使ってみた。基本仕様の違いは、RAMが無印モデルの2GBから3GBに増えたことくらいだろう。使い勝手の面ではワイヤレス充電が行えることが大きい。ワイヤレス充電スタンド付きのセットも売られている。 このスタンド、角度調整が行えないなど不満点はあるものの、やはり置くだけで充電されるのは便利だ。 近年、FireデバイスとEcho Showがかなりクロスオーバーしてきている感があるが、今回のFire HD 8/Fire HD 8 Plusも「Showモード」を備えている。スイッチ一つで、Echo Showと同じように動作するというものだ。 このShowモードとワイヤレス充電スタンドの相性はバツグン。充電スタンドに置いてShowモードを起動すれば、ほとんどEcho Showと同じ使い方ができる。つまり、ふだんはEcho Showと同じように使った上で、持ち運びたいときはさっと持ち出し、タブレットとして使える。良く工夫されていると思う。 ◇ 「Fire HD 8」「Fire HD 8 Plus」は、とにかく安い。そのうえで大きな不満点がなく、バランス良くまとめ上げられている印象だ。 途中で少し触れたように、たとえば「Zoom通話用のデバイスがもう一つ欲しい」など、なにか一つでも具体的な目的があれば、それだけで元が取れるケースも多いはず。出費を抑えながら、ある程度満足できるタブレットを探している方におすすめしたい。

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June 13, 2020 at 05:02AM
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