性差を考慮した研究開発を進める「ジェンダード・イノベーション(GI)」。無意識に目が向けられなかった性差の視点で分析が進むことで、全く新しい市場を開拓できる可能性も秘めている。GIが広がっていくための鍵は何か。GIを巡る企業活動に詳しい矢野経済研究所の清水由起主席研究員に聞いた。【聞き手・本橋敦子】
――国内のGIの現状をどのように見ていますか?
◆認知度はまだまだ低い。女性の健康課題をテクノロジーで解決する「フェムテック」に興味のある人には少しずつ知られてはいるものの、矢野経済研究所が実施した消費者調査ではGIの認知度は3・5%だった。ただ、知られれば多くの人に関心を持たれるだろうし、ジェンダー平等などのSDGs(持続可能な開発目標)の観点からも企業は取り組まざるを得ない。
――フェムテックとの違いは何ですか?
◆GIは女性だけに焦点を当てたものではない。男性にも課題として社会に認識されてこなかった分野があり、男女それぞれがより暮らしやすくなるために必要な取り組みだ。フェムテックに及び腰だった日本企業の担当者から「これなら取り入れられる」「これなら上司に言える」といった声も聞いている。
――欧米の企業もGIに取り組んでいるのですか?
◆欧米でも日本でも、研究機関や大学などアカデミックの分野でGIの取り組みが進んでおり、特に欧米の研究は先行しているが、それと比べると企業はまだ模索しているという印象だ。現在、消費者は性差目線の製品に接する機会が少なく、性差を意識した商品のメリットに気づいていないからだ。これから性差を意識したモノの良さが浸透していけば企業の取り組みも広がるだろう。
――GIの取り組みはどんな分野で進みそうですか?
◆性差の視点が抜け漏れると…
からの記事と詳細 ( 見過ごされてきた性差:企業がGIに取り組まなければならない理由 専門 ... - 毎日新聞 )
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