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Thursday, December 29, 2022

千葉Jに完敗した群馬クレインサンダーズ、指揮官の水野宏太は ... - バスケットカウント

水野宏太

「千葉Jの3ポイントシュートが入ったから負けたわけではない」

年の瀬も迫った12月28日。年末とはいえ、群馬クレインサンダーズvs千葉ジェッツの水曜日ナイトゲームに集まった観客は今シーズン最多の3,084人。早々にチケットは完売となり、立ち見の観客も見られ、詰めかけた多くのブースターに勝利を見せたかった群馬ではあったが、80-108で千葉Jに完敗を喫した。

この試合で結果的にキャリアハイの40得点を上げたクリストファー・スミスは、第1クォーターから15得点の活躍。千葉Jはチームでも3ポイントシュートを10本中8本決めた。しかし、群馬も負けじと高確率でシュートを成功させて、第1クォーターは27-32と食らいついた。

第2クォーター中盤から群馬の得点が伸び悩みだし、その流れで後半は失速した。逆に千葉Jは第1クォーターからの勢いそのままに確率の良いシュートで点差を広げ続けた。千葉Jは最後まで群馬に流れを渡すことなく、盤石の試合運びで勝利した。

最終的に千葉Jは3ポイントシュートを33本中15本成功させた(45.5%)。この数字だけを見ると、千葉Jのシュートタッチが良かったため大量得点できたかのように思われるが、群馬の水野宏太ヘッドコーチは「試合で自分達がベースとして考えているディフェンスのルールだったり、遂行しなきゃいけないことができてなくて相手に簡単に点数を取られてしまったことの方が、相手の3ポイントシュートよりも気になっています」と語った。

そして、この敗戦をプラスに転じさせるため、対戦相手ではなく、自分たちにフォーカスする言葉が続く。「相手のシュートの調子が良かったからとかそういうことではなく、自分たちが強いチームになるためにやらなくてはいけないことをやりきれませんでした。苦しい時に我慢できず、相手に流れを持っていかれてしまったところがあり、まだまだ自分たちが足りてないものはここですよというのを、学ぶような試合になってしまいました」

群馬は第12節のサンロッカーズ渋谷戦直前に選手5名が新型コロナウイルス感染症陽性判定を受けて、チーム活動を停止せざるを得ない状況になってしまったが、翌節の三遠ネオフェニックス戦では第1戦に勝利した。今節も序盤の千葉Jの猛攻に対して戦う姿勢を見せた選手を水野ヘッドコーチは評価している。「三遠戦の1勝1敗という結果に対しては納得してないですが、復帰後1試合目で相手のことを跳ね返して勝ったところをプラスに捉えられることが今のチームはできているので、それを今日の敗戦でなくしてしまわないようにしたいです。そして、この負けから学べるぐらい強いチームに成熟させていかなければならないです。自分も含めてここからしっかり先に進んでいきます」

群馬クレインサンダーズ

「ファンの期待を裏切るつもりはないので、敗戦から何を学んでいくか」

ヘッドコーチ就任後、戦績に対する目標などは明言していないが、一貫して「文化を根付かせる」と水野ヘッドコーチは口にしている。そのため、満員の観客を前にした敗戦に悔しさも滲ませていた。

「お客さんが自分たちに期待して今日も来てくれたということを感じていますし、それに対して結果で応えようと臨んだのは紛れもない事実です。その中で、良い結果を共に分かち合うことができなかったというのは、悔しいですし申し訳ないです。この太田市運動公園市民体育館で3,000人を超えたのを初めて見て、その3,000人の方たちが『本当に満足する試合ができましたか?』という質問をされたら、目を見て答えられるような結果ではなかったです」

それでも、結果に一喜一憂せずに今後の成長を期待させる言葉が続いた。「自分たちはまだまだチームとして成熟していないところがあってコントロールできない部分に目を向けがちです。ちゃんと目の前の一つひとつに自分たちがどれだけ集中してやれるかということと、苦しい時にこそ踏ん張る力や足掻く力、今日みたいに相手のシュートが入ったから勝つのが難しかったよねっていう風にするのか、それともシュートを決められたとしても自分たちがどこでやり返してゲームを成立させるのかという姿勢があるかどうかで、全く違う結果を生むと思っています」

そして「強豪チームの文化を群馬で創る」と言う水野ヘッドコーチは、この敗戦からも前を向いている。「終わったことはもうコントロールできません。コントロールできるものにフォーカスするのであれば、ここから学んでシーズンが終わった時に一つひとつの負けが糧になっていたチーム、自分達の目指しているものを見据えてやってきたチームと言ってもらえるような状況を作っていきます。前を見据えて、チーム全員で課題に着手していかなければなりません。そういう部分では皆さんの期待を裏切るつもりはないので、ここから何を学んでいくのか、それをやっていければいいと思っています」

奇しくも4月22日に待望のオープンを迎える新ホームアリーナ「オープンハウス・アリーナ・オオタ」のこけら落としゲームの対戦相手は千葉Jだ。今節の敗戦を糧にリベンジする最高の舞台は既に用意されている。ここからのチームとしての成長に期待せずにはいられない。

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