タイ税関は9月末、商品の真贋(しんがん)判定に必要な情報を登録するための「タイ税関知的財産(IPR)記録システム(TCIRs)」を稼働させた。タイ税関が7月27日に出した税関告示第106/2565号「商標権侵害品の輸出入・通過管理に関する告示」(8月4日付官報に掲載)に基づき、登録商標や著作権に関する情報の登録を希望する商標権者・著作権者は、同システムを通じて申請することが可能となる。
同告示により、7月29日から商標権者/著作権者/代理人は、登録商標や著作権の情報を税関に提出・登録することで、以下の規定・手続きにより、タイに輸出入・通過する商品の真贋判定を依頼できるようになっている。
(1)税関への登録用情報の提出
商標権者/著作権者/代理人(タイに居住するタイ人またはタイ法人、外国人の場合、代理人はタイ人かタイ法人でなければならない)は、税関当局に関連情報を提出・登録することができる。情報は、受領日から3年間、または商標権/著作権の保護期間の、いずれか短い方の期間有効。有効期限の30日前までに当局に申請すれば、3年間延長することが可能。情報に変更があった場合は、当局に届け出る必要がある。
(2)疑わしい商品の取り扱い手順
税関職員は、税関に提出された情報に基づき、輸出入・通過する商品が商標権/著作権を侵害していると合理的に疑われる場合、商品を押収し、輸出入業者/仲介業者/代理人と、商標権者/著作権者に通知を行う。 輸出入業者/仲介業者/代理人が権利侵害を認めた場合、税関職員は検査・押収、または逮捕に関する報告書を作成し、その後、法務部門に案件を転送し、さらなる措置を講じる。
不服がある場合、輸出入業者/仲介業者/代理人は、税関通知を受け取ってから3日以内に、商品が商標権/著作権の侵害品でないことを証明する証憑(しょうひょう)を添えて異議申し立てを行う。その後、税関職員は商標権者/著作権者に異議申し立てを通知する。権利者は3日以内に確認書を提出し、税関に起訴するよう請願することができる(請願しない場合、押収された物品はリリースされる)。輸出入業者/仲介業者/代理人が3日以内に連絡できない、または異議申し立てをしない場合、押収品は侵害品とみなされる。
(3)商標権者/著作権者/代理人の要求(申請)による検査
商品が商標権/著作権を侵害しているとする合理的理由がある場合、税関当局に知財関連情報を登録済みの商標権者/著作権者/代理人は、商品が輸出入の通関を通過する前に、当該商品の検査を都度要求(申請)することが可能。税関職員は、検査要求とともに提出された知的財産所有権書類の正確さに疑いがない場合、物品を押収し、輸出入業者/仲介業者/代理人/申請者に通知する。申請者は、通知から24時間以内に検査に立ち会う必要がある(立ち会わない場合、押収された物品はリリースされる)。検査後、税関職員は商標権者/著作権者/代理人に対し、検査完了から3日以内に確認書と起訴の申立書を提出するよう指示する。なお、輸出入業者/仲介業者は、容認/異議申し立て(前述の手続きと同様)を行うことができる。
税関に情報を登録または検査要求を申請した商標権者/著作権者/代理人は、申請に従って行われた税関職員の検査により万一、損害が発生した場合、輸出入者/通過貿易業者者/代理人/税関に対して責任を負う。
(北見創、シリンポーン・パックピンペット)
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