投稿者 : Josep Ferrer Llop(カタルーニャ州)
21世紀の左翼は国家なき国民の自己決定を引き受けなければならない
カタルーニャの主権獲得プロセスは、左派の間で、国家問題や国境の民主的見直しに関す る議論を浮上させるきっかけとなった。この議論は、人民の民族的・文化的権利の尊重、 市民の権限強化、補完性の原則、帝国主義的ナショナリズム廃棄を考慮して行われなけれ ばならない。 民族的性格をもつ闘争(言語、文化、自治、自己決定...)は、海外での抑圧や植民地主 義の状況が明らかな場合に、左翼によって取り上げられた。しかし、ヨーロッパで紛争が 起こったとき、左翼は疑念を抱く。ヨーロッパの少数民族にも自治権や自己決定権がある という結論に至るような議論を避けるために、こうした抑圧や迫害の状況の存在そのもの に目をつぶっているのである。カタルーニャの場合、スペイン国家の植民地主義的な態度 は、カタルーニャを一つの主権共同体として承認することを否定するほど明白である(法 律、経済、言語・・・)。 より一般的にいえば、ヨーロッパ市民の権利には、国境線の変更に参加する権利は含まれ ていない。国境線は、軍事衝突や寡頭制の協定によって決定されることがほとんどである。 この権利を主張することで、国家と市場のヨーロッパではなく、人民のヨーロッパに向 けた市民のエンパワーメントが可能になるはずである。 補完性の原則に関しては、中小規模の国家は、意思決定機関がその影響を受ける人々に近 いため、ダイナミズムと社会的・政治的発展の面でしばしばリーダーであることが証明さ れてきた。寡頭制国家は、草の根の社会運動が非常に大きな国家では声を上げることが難 しいことを知っているため、政治権力を組織の自然な単位から遠ざけるという逆のモデル を求めている。カタルーニャは、そのようなダイナミズムの要素の良い例となり得る。 国際主義の偏った解釈、ナショナリズムの一般的な悪者扱い、あるいは国家的要求と社会 的要求の間の拮抗関係といった演繹的な誤解がしばしば提起される。それとは逆に、進歩 的な国際主義は、国境を越えた友愛を宣言している。さらに、左翼は、戦うべき帝国主義 的ナショナリズムと、左翼が支持すべきカタルーニャのような解放的ナショナリズムを区 別する必要がある。 最後に、満足のいく社会経済的改善を達成するためには、完全な自治と自らの資源を完全 に処分できることが必要であるから、国家的権利と社会的権利は両立かつ相互補完的でな ければならない。実際、現時点では、カタルーニャでは、独立主義は主に左翼であり、左 翼は主に独立賛成派であると言えるであろう。 2022年1月に執筆された記事 by: Josep Ferrer(カタルーニャ共和国左派合意)、Guillem Fuster(Poble Lliure自由人) 、Teresa Garcia(Moviment d’Esquerres左派運動)、Antoni Morral(Junts per Catalunya共にカタルーニャ)、Joan Josep Nuet(Sobiranistes主権派)、Alba Vergés (Esquerra Republicana de Catalunya カタルーニャ共和左派)。
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