定番か、新商品か。あなたはスーパーやコンビニでラーメンやパンを選ぶときにどちらにしますか?今回の無料メルマガ『繁盛戦略企画塾・『心のマーケティング』講座』では、繁盛戦略コンサルタントの佐藤きよあきさんが、現在の消費者の傾向とメーカーへのちょっとした“苦言”を語っています。
なぜ“変な”インスタントラーメンばかり発売されるのか?
どこのメーカーとは言えませんが、「よくこんなものを売っているなぁ」と思えるほどのマズい袋入りインスタントラーメンを次から次へと新発売しています。
袋入りに限らず、カップ麺にも、次々と新商品が登場しますが、中にはこうしたマズい商品も多々あります。私の好みの問題ではなく、どうひいき目に見ても、マズいのです。
メーカーの開発担当が味音痴なのでしょうか。それとも、別の事情があるのでしょうか。
これはあくまで私の推測、裏読みなのですが、「煽り型新商品マーケティング」が存在するのではないでしょうか。
次々に目新しい商品を投入し、消費者の興味を惹き、買わせる。最初から生産ロットは決まっており、売り切れば、それで終わり。また、次の商品を出す。消費者は、常に新しいものを求めているので、新商品が出ればすぐに手を出します。
昔なら、ラーメンと言えば、定番品がよく売れ、家庭には決まった商品が常備されていました。しかし、消費者の食に対する興味はめまぐるしく変わり、次々に新商品を出すことが、要望に応えることになるのです。それが、新商品の連続技に繋がり、味の追求がおろそかになった理由です。
なぜ消費者は、そこまで新商品を求めるようになったのでしょうか。
原因としては、コンビニの存在が考えられます。コンビニの宿命とも言えるのですが、小規模店舗では、定番品ばかりを売っていては、お客さまが寄りつかないのです。定番品なら、スーパーに行けば良いのです。行くたびに新しい商品があるからこそ、それを楽しみに来店するのです。
“何か新しいものがあるかも”という期待を持っています。ちょっと時間が空いた時にも立ち寄って、新商品を探します。それが楽しいことを消費者は知ってしまったのです。
常に新しい商品を求める消費者の志向は、コンビニによって作られたのかもしれません。たとえ、お気に入りの商品がすぐに消えてしまっても、それに固執する間もなく、次の商品が出てきて、試す楽しみを与えてくれるのです。つまり、次々に商品が変わってしまうことに、消費者が慣れてしまったのです。
スーパーに並ぶ、菓子パンや惣菜パンでも同じことが起こっています。メーカーとしては、定番品だけでは利益を上げられないので、味は二の次となっても、新商品を次々に発売するのです。
味を追求した商品をメーカーにじっくりと開発してもらうためには、消費者が冷静になって、商品を見極めなければなりません。新しいものを試す楽しみか、本当に美味しいものを探す楽しみか。世の中のスピード感を考えると、もう戻れないのかもしれませんが。
メーカーの人へ。せめて明らかにマズい商品は売らないで欲しい。
image by: Shutterstock.com
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