大統領府=ハンギョレ資料写真//ハンギョレ新聞社
「言論仲裁及び被害救済等に関する法律」(言論仲裁法)改正に対するメディア・市民社会団体の批判が強まるなか、大統領府でも法案の強行処理には慎重にならなければならないという声が上がっている。
大統領府は29日、「言論仲裁法改正案は国会が深く論議しなければならない事案」という従来の立場を繰り返した。法改正事項は与野党が国会で向き合って話し合う必要があるという説明だ。しかし、大統領府内部では言論仲裁法をむやみに押し進めることに対する悩みが深まっている。大統領府の関係者は本紙の電話取材に対し「大統領府が法の条項一つ一つを評価することはできないが、言論仲裁法で与野党が衝突すれば、多くの懸案を処理しなければならない通常国会にも影響を及ぼすことを懸念している」と述べた。
大統領府は特に、与党が言論仲裁法の改正を推進するのは言論による被害救済という名分があるが、ややもすれば「独善」という枠にはまりかねないという点を無視してはならないとの雰囲気も感じられる。大統領府の中でも「一歩進めたいが、相手がいるので仕方なく半歩だけ進めなければならない時もある」「野党がフィリバスター(無制限討論)をするのをそのままにしておくのは難しい点がある」などの意見が出ているという。
これは大統領府が言論仲裁法の改正に対して見せた従来の態度とはかなり違う流れだ。大統領府は、言論仲裁法改正案が国会の文化体育観光委員会全体会議を通過した19日、「誤った言論報道による被害救済が十分でないため、被害救済の実効性を高めるための立法的努力も必要だ」とし、法改正に共感するという意思を示した。しかし、国民の力だけでなく正義党まで言論仲裁法改正に強い反対を表明し、メディア団体だけでなく言論運動に献身した重鎮ジャーナリストなど民主改革陣営内でも批判と懸念の声が高まり、大統領府の負担も大きくなっている。国民を対象にした世論調査で言論仲裁法への賛成意見が高いからといって、無条件にこれを「世論」と信じて突き進むのは危険な状況だ。
大統領府のパク・スヒョン国民疎通首席が27日、YTNとのインタビューで「国会の時間にこの問題を賢明に処理して下さることを見守っている」とし「賛成と反対、心配と懸念といった声が交わり、最善ではなくても互いに合意できるような次善の選択をつくるのが民意の殿堂ではないか」と述べたのも、こうしたムードが反映されたものだ。大統領府が民主党の主導する言論仲裁法改正を公に阻止することはできないが、「互いに合意できる次善の選択」について考える必要があるという意思を見せ始めたのだ。
大統領府内では特に「独走」「傲慢」と見なされることに対する警戒心が強い。「スーパー与党の立法独走」と捉えられた場合、新型コロナ克服のための新年度予算案や民生法案などを処理する来月の通常国会が、釣り合いの取れないまま進む恐れがあるためだ。
イ・ワン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
訳C.M
からの記事と詳細 ( 言論仲裁法「半歩進めなければならない時もある」…大統領府も強行処理に慎重論 - The Hankyoreh japan )
https://ift.tt/3t4Ae0H
No comments:
Post a Comment