朝日新聞に26年以上にわたって連載した漫画「フジ三太郎」で広く親しまれた漫画家のサトウサンペイ(さとう・さんぺい、本名・佐藤幸一=さとう・ゆきかず)さんが、7月31日、誤嚥(ごえん)性肺炎で死去した。91歳だった。葬儀は近親者で営んだ。
1929年、名古屋市で生まれ、大阪で育つ。京都工業専門学校(現・京都工芸繊維大)を卒業後、50年に入社した大阪の大丸百貨店の宣伝部に勤務しながら、新大阪新聞の連載でデビュー。57年退社後、61年に上京し「アサカゼ君」「ランチ君」をヒットさせた。
65年4月、朝日新聞夕刊で「フジ三太郎」を開始。家庭ものが主流だった新聞漫画の世界に、サラリーマンが主人公という新境地を開いた。79年1月から朝刊に移り、91年9月30日に終了するまで26年6カ月、8168回の連載を続けた。高度成長からバブルまでの世相を、ジャーナリスティックな視線とカラッとしたユーモアで描いた。
連載終了後も漫画やエッセーなどで活躍を続けた。66年に文春漫画賞、97年紫綬褒章、2017年日本漫画家協会賞特別賞。
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