マッキンゼーの仕事に関する最新レポートは、低賃金の仕事の恐ろしい未来を予想している。 同レポートは「労働需要のほぼ全ては高賃金の仕事で生まれる」という。 飲食業といった「減少している」仕事に就いている低賃金の労働者の半数以上は、新たなキャリアを見つけなければならない。 "アフターコロナ"の仕事に関するマッキンゼーの最新レポートは、低賃金の労働者の恐ろしい未来を描いている。 レポートは、8つの異なる国における新型コロナウイルスのパンデミックが労働者や雇用に与えた影響と、その結果として生まれる仕事の種類にフォーカスしたものだ。 同レポートによると、パンデミック以前は、失業した低賃金の労働者はほぼ全員が別の低賃金の仕事に移ることができたという。だが、パンデミック以後はその選択肢がなくなりそうだ。 飲食業といった「減少している」低賃金の仕事に就いている労働者は、より大きな変化が求められることになる。マッキンゼーは、こうした労働者の半数以上が、パンデミック以後も雇用を維持するためには(異なるスキルを必要とする)より賃金の高い仕事を見つける必要に迫られるとしている。 「パンデミック最大の負の影響は飲食、販売、サービス業に及ぶと見ている。低スキルの事務補助職も同様だ」とレポートは指摘する。 雇用の減少は、低・中賃金の職で最も多くなりそうだ。レポートは、アメリカだけで顧客サービス、飲食サービス業の430万人の雇用が失われる可能性があると予想している。全体としては約1700万人のアメリカ人が今の仕事を離れ、新しい仕事に移らなければならなくなるという。これはパンデミック前のマッキンゼーの予想(380万人)を大きく上回る。 その一方で、雇用が増えそうなのが医療、STEM分野を筆頭とする高賃金の仕事だ。「労働需要のほぼ全ては高賃金の仕事で生まれる」とレポートは指摘している。 「このトレンドは、パンデミック前に多くの国で見られた動き ── 自動化が定型業務を引き受けるにつれ、雇用の減少が製造業の中賃金の仕事に集中する一方で、低賃金と高賃金の仕事は増え続ける ── とは明らかに違う」という。 このトレンドは、賃金の高い労働者の雇用と収入が増える一方で、賃金の低い労働者がその反対を経験する、アメリカのK字回復と一致する。 ただ、世界中の労働者たちは引き続き、パンデミック以後のトレンドの影響を感じることになるだろう。マッキンゼーによると、2030年までに1億人以上の労働者 ── およそ16人に1人 ── が別の仕事を見つけなければならなくなるという。 [原文:Almost all new jobs will be high-paying after Covid and most low-wage workers will have to change careers, McKinsey report says] (翻訳、編集:山口佳美)
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