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Tuesday, March 10, 2020

【サッカーコラム】暗黙のルールは必ず守らなければならないのか? - サンケイスポーツ

 【No Ball、 No Life】先日、都内で地下鉄に乗っていたときのこと。隣に座っていた男性が大きくむせるとともに、ゴホゴホと不自然な咳を連発した。乗客がいっせいに顔を向けると、男性は大きな声で語りはじめた。「いや、違う。いま芋を食べていて、喉につかえたんだ。流行りのヤツじゃない。みんなそんな心配するなよ。邪険にするなよ。芋が喉につかえただけだ」と、なぜかうれしそうだった。ちなみに、芋は本当に食べていた。

 おそらく、咳をしてまわりの反応をみたかったのだと思う。しかし、普通にゴホゴホとやったのではただの体調不良の人で終わってしまう。みんなの注目を浴びたところで、芋を食べていただけというオチをつける。そういう狙いがあったと予想される。次の駅に到着すると、男性はまたわざとらしく大きくむせながら降りていった。

 平時であれば「芋を食べてむせている人がいた」で済むが、有事にやられるといい気持ちがしない。モヤモヤしていろいろと考えているうちに、そういえばスポーツ界での暗黙のルールはどうなっているんだと考えるに至った。

 サッカーに当てはめると、負傷者が出たときにはボールをタッチラインの外に出し、相手がスローインで返すというものがある。野球であれば、大量得点差がついた試合終盤には盗塁しないなど。また、2018年平昌五輪男子アイスホッケーのOAR(ロシアからの五輪選手)×アメリカでは、4点をリードしたOARが第4ピリオドの残り数分でパワープレーを得てなおも攻め続けたため、試合後にアメリカの監督が握手を拒否するという一幕があった。このような状況になったとき、NHL(ナショナルホッケーリーグ)では追加点を狙いにいかないのが暗黙のルールとなっている。

 もうひとつ面白い暗黙のルールがある。卓球界に存在するスコンク(完封)をしないための行為で、10対0でリードした選手がサーブをネットに引っかけて相手に1点を与えるというものだ。ときに観客から拍手が起こるほど卓球界では通常のことで、過去に福原愛さんが手違いで思わずスコンクしてしまったときは、中国メディアから質問を受けたほどである。

 しかし、相手にポイントを与えるというこの暗黙のルールに関しては、相手に敬意を表しているのか疑問である。とらえ方を変えれば、相手に情けをかけていることになる。とはいえ、サッカーでボールを故意にタッチラインの外に出す。野球で盗塁しない。これらも得点するチャンスを自ら放棄していると考えれば、情けをかけていることに違いはない。

 そうなると、強く勝利を求めるならば、正式なルールで定められていなければ、厳守しなくても良いのでは? いやいや、そこは定められていなくても、暗黙の了解のもと戦っているのだから守らないと……などさまざまな選択肢が浮かんでくる。要は、人に言われてどうこうすることではなく、そうした状況に置かれたときに自分で判断しなければならないのだろう。いろいろ考えた結果として、とりあえず、電車内で咳き込む恐れがあるモノを食べるのは止めようと思った。(飯塚健司)

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