イノベーションを誤解していないか?
定年後に起業を目指す方、出版・講演活動を目指す方にとって、不可欠なものがあります。それは「社会に新たな価値を創出しよう」という意識、すなわち「イノベーション」の意識です。すでに世の中には、無数の商品・サービス・コンテンツが存在します。新たな価値を持たないものは必要とされない、という厳しい現実があるのです。
いきなりハードルを上げてしまいましたが、実は「イノベーション=世紀の大発明」とは限りません。イノベーションと聞くと、斬新で未来的なものを想起する方が多いと思いますが、ドラッカーは『プロフェッショナルの条件』(ダイヤモンド社)で次のようにアドバイスしています。
「第一に、凝りすぎてはならない。イノベーションの成果は、普通の人間が利用できるものでなければならない」
「第二に、多角化してはならない。散漫になってはならない」
「第三に、未来のために行ってはならない。現在のために行わなければならない」
珍奇な発明品を量産するような活動は、むしろドラッカーの考えるイノベーションとは真逆です。現実社会における課題・ニーズを冷静に見極めたうえで取り組むべきなのです。
近年のイノベーションの代表例としては、IT関連サービスが真っ先に思い浮かびますが、それらは見るからに新しいものとは限りません。例えば、タクシー業界に革命を起こしたUber。あるいは、ホテル業界に衝撃を与えたAirbnb。
いずれも先進技術はユーザビリティ向上のために、つまり「普通の人間が利用できる」ようにするために使われているのです。UberやAirbnbを操作するスマートフォンも、「普通の人間が利用できる」ことが徹底されています。
イノベーションの7つの機会
ドラッカーは「イノベーション」を日常的に取り組むべき仕事として位置づけています。そして、そのヒントとして次の7項目を『プロフェッショナルの条件』(ダイヤモンド社)で挙げています。
予期せぬこと
ギャップ
ニーズ
構造の変化
人口の変化
認識の変化
新知識の獲得
続いて、7項目の意味を簡単に説明します。
①予期せぬこと
売り手が無価値だと思い込んでいたものに、意外なニーズが存在することも。例えば「形が悪くて売り物にならない」と思っていた野菜に対して、「味がよければ気にしない」という買い手が現れるようなケースです。
②ギャップ
あるべき姿と現状のギャップは、イノベーションの好機です。例えばUber Eatsは、配達サービスを行っていない飲食店の料理を配達可能にして、多忙な現代人から支持されています。
③ニーズ
世の中のニーズを探り、まだ商品化・サービス提供が実現していないものを考えてみましょう。
④構造の変化
新しいインフラやプラットフォームの登場、急激な進化などにより、ビジネスの構造が変化します。近年は5Gの登場により、インターネットが新たな局面を迎えようとしています。
⑤人口の変化
バブル期は20代の新入社員が多く、社員教育のメインは新人教育でした。一方、新入社員の少ない近年は、30〜40代向けのマネジメント教育に重きが置かれるようになっています。
⑥認識の変化
かつては“若者の街”の印象が強かった渋谷ですが、近年は多くのIT企業が本社を構えるオフィス街へ。高感度な大人をターゲットにした商業施設が続々とオープンしています。
⑦新知識の獲得
5GやAIのような新技術、発明などによるイノベーションです。
以上の7項目を一つずつ考えていき、イノベーションの可能性を見つけ出しましょう。新たな事業・商品・サービス・コンテンツを企画するうえで、有意義なチェックリストとなります。
価値を決めるのは顧客。
文/飯田利男
KYBで油圧部品の営業・広報部を歴任。海外営業部長としてグローバル拡販に貢献。2014年にドラッカー学会入会。2016年以後は明治大学サービス創新研究所客員研究員として活動。2017年に定年退職後、2018年にドラッカーとゴルフを融合した『ゴルフで覚えるドラッカー』(ゴルフダイジェスト社)を出版。現在、「セルフマネジメント」「セカンドキャリア」のアドバイザーとして活動中。
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February 26, 2020 at 04:18AM
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